2012年9月11日火曜日

法律問題の9割は弁護士を使わないで済む(1)「離婚」

法律問題の9割は弁護士を使わないで済む(1)「離婚」

新しいシリーズを書きます。
弁護士の使いドコロを、時折書いていますが、「法律問題」といっても、そのほとんどは、弁護士を雇う必要はないことが多いといえます。
せいぜい、弁護士による法律相談で足りるということも多いです。

段階的に、
どこまでが自分でできるか。
法律相談は必要である。
弁護士に頼んだほうがよい。
ということを明らかにすることで、どういうときに弁護士が必要かがわかってくると思います。

離婚

「離婚」といっても、何が争いになっているかで、弁護士が必要かは違います。

いくつか挙げてみましょう。

1. 単に離婚したい(慰謝料なし、子供の親権なし)
2. 慰謝料が欲しい
2.1 慰謝料として、年金分割だけでよい。
3 子供の親権が欲しい
4 慰謝料以外の財産的分与が必要(典型的には、夫名義の不動産がある)



1. 単に離婚したい(慰謝料なし、子供の親権なし)
協議離婚(離婚届を出す離婚)ができない場合には家庭裁判所への調停が必要となります。

慰謝料はいらない、未成年の子供もいない。または、親権は要らない。

ということになれば、調停もスムーズに進むでしょうし。調停の場で、それほど弁護士が活躍する場合もありません。

調停が不調になれば(これが難しいですが、相手が理由なく離婚は嫌だ!というのも不調になります)、裁判をする必要があります。

この裁判は証拠と法律上の主張が必要になります。この段階で、弁護士をつけるというのが適切でしょうか。


2. 慰謝料が欲しい

慰謝料は離婚の条件ではありません。ただ、離婚をしてからだと取りにくいので、離婚をする代わりに慰謝料を払え!という方法でいくのが普通です。

これも、協議が整わなければ、調停となります。

調停は話し合いです。調停委員が双方の言い分を聞いて、これぐらいでどうだ!という話になります。

額で折り合いがつかないと、それで調停を不調にして、離婚裁判と同時に慰謝料請求の裁判をすることになります。ここまでくると弁護士の出番となるでしょう。

やってみないとわからないところでもありますが、離婚交渉ということで弁護士を使って成功するときもあります。

ただ、慰謝料は、普通は、かなり上限が決まっています(おおむね300万円あれば、かなり高額といえる金額です)。

単に離婚したいというだけよりは、弁護士を使う価値があるといえます。


2.1 慰謝料として、年金分割だけでよい。

最近は、このパターンも多いです。
相手も呑みやすく、慰謝料の額算定という法律的な難しい問題は、あまりありません。

この場合は、調停で、相手方しだいですが、調停合意ができれば、それほど弁護士を使うメリットはありません。弁護士がつくことで大きな割合になったということもあまりありません。

調停が不調になったら、離婚裁判が必要になりますので、この段階では弁護士を使うというのがいいということになります。

3 子供の親権が欲しい

子供の親権のみ欲しいというのは、実は争いになりがちです。

親権が決まらなければ、離婚は決まっていたとしても、家庭裁判所へ親権者指定の調停をしなければなりません。

調停で、これだけ自分のところに親権があるのが有利だ!という主張を、調停委員には言っていく必要があります。

調停が成立しなければ、審判または裁判となります。

親権者だけの争いということになれば、少なくとも調停の段階では弁護士を使ったから、とても有利になった!というのはなりにくいといえましょうか。審判または裁判に移ってから弁護士に頼むというのも考えの一つです。




4 慰謝料以外の財産的分与が必要(典型的には、夫名義の不動産がある)

これも合意ができなければ調停が可能です。
離婚事件で、弁護士がついて役に立つという典型例となるでしょうか。

財産一覧表を作成し、
財産分与の対象となる財産を整理していく作業が必要となります。

不動産の名寄せや銀行口座の照会というのは、弁護士ができる大きな力となります。注意すべきは、弁護士には、基本、財産の調査能力はないということです。隠されたり、名義変更をされたりすると手出しができない(できにくくなる)というのは、弁護士を使ってもあります。

通常は、調停前の「交渉事件」、調停に同行する「調停事件」、財産分与のみで争いになっている場合移行する可能性もある「審判事件」、他にも争いがあり、裁判をする必要となる「裁判事件」、これらで弁護士を使う意味があるといえます。


5. まとめ

簡単にいえば、物事が複雑になればなるほど(離婚にも争いがある、親権も欲しい、慰謝料もめいっぱい、財産分与もあるetc)、弁護士を使う意味が出てくるようになります。



単純に離婚したい、慰謝料も年金分割だけでいいなどの単純なことであれば、弁護士を使うメリットが少なくなるといえます。



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