2010年6月19日土曜日

偽科学を題材に…対処はとても難しい。

偽科学を題材に…対処はとても難しい。
[弁護士の仕事]
Last updated 2010.02.25 01:07:25
http://plaza.rakuten.co.jp/utuboiwa/diary/201002240002/


「催眠療法、オゾン療法、断食療法、ホメオパシー…。これらは、鳩山首相の提唱で厚労省が保険適用などを検討し始めた「統合医療」のリスト」

「前出のほかに、中国医学、漢方、鍼灸、インドの教えになるアーユルベーダ、柔道整復、イスラム医学のユナニ、磁気療法、気功、温泉療法、心理療法などがある。」

2010年02月17日18時04分 / 提供:J-CASTニュース
(http://news.livedoor.com/article/detail/4610320/)

最も信用される国会議事録をみてみよう

(第174回国会予算委員会第3号 平成22年1月28日(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/174/0014/17401280014003a.html))



○国務大臣(長妻昭君) この統合医療の重要性に関する思いというのはもう総理からもかねがね聞いているところでございまして、おっしゃる とおり、今厚生労働省内で統合医療をかかわる部署というのが、例えば大臣官房の科学課、医政局の医事課、経済課、振興課、保険局医療課ということで四つほど分かれて、それ以外にも分かれておりますので、これは今後、統合医療の省内でプロジェクトチームをつくりまして、これを一本にまとめていくということで 検討していくということであります。統合医療は、もう言うまでもなく、西洋医学だけではなくて、伝統医学、漢方、鍼灸、温泉療法、音楽療法、芸術療法、心身療法、自然療法、ハーブ療法、ホメオパチーなどいろいろな広がりがあるものでございまして、厚生労働省といたしましても、この二十二年度の予算でかなりこれまで以上に、研究分野の統合医 療の研究について十億円以上の予算を計上しまして、その効果も含めた研究というのに取り組んでいきたいというふうに考えております。

・・・・

○国務大臣(長妻昭君) そういう意味では、先ほどの研究費というのも、厚生労働省が自分でやるというよりは、そういう研究をしていただい ているところに交付をするというような研究費でございますし、今おっしゃられた各種研究機関がこれまでも蓄積がありますので、今回、再びそういう蓄積を再度整理をして、一元的に調べてそれらの有効性というのを検証していきたいというふうに考えております。



消費者問題で,最もやっかいな部類に入るものが,

偽科学

を利用したものです。



偽科学には,

波動,マイナスイオン等流行もあり,

ここでは,前記に述べている

「ホメオパシー」を例に挙げて書きたいと思います。



ホメオパシーの意味については,ネット上で検索をして頂くことにして,

なぜ,偽科学に問題があるかを探ってみたいと思います。



この答弁に丁度極めて近い時期に,英国議会での結論が出されています。




「英国議会は「NHSでホメオパシーはもう扱わない」と言う」
(http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20100223/p2)

報告書原文(http://www.publications.parliament.uk/pa/cm200910/cmselect/cmsctech/45/45.pdf)は,資料も合わせて全文275頁もありますが,その結論が,48頁から書いてあります。前記ブログにも記載された原文です。



16. We do not doubt that homeopathy makes some patients feel better. However, patient satisfaction can occur through a placebo effect alone and therefore does not prove the efficacy of homeopathic interventions. (Paragraph 82)

ホメオパシーには一定の効果があることには疑いがない,しかし,それは,単なるプラシーボ効果に過ぎない,それ故,ホメオパシー処置による効果とは証明できない。

23. The Government should stop allowing the funding of homeopathy on the NHS.
(Paragraph 110)
 

政府は,NHSにおけるホメオパシーに対する予算付けを止めるべきである。

26. We conclude that the MHRA should seek evidence of efficacy to the same standard for all the products examined for licensing which make medical claims and were commend that the MHRA remove all references to homeopathic provings from its guidance other than to make it clear that they are not evidence of efficacy.(Paragraph 128)

・・・・ホメオパシーの記述すべてをガイダンスから除き,更に,それらは,効力があるとした証拠はないことを明確にせよ

・・・・

気持ち良いぐらいの完全否定となっています。



誰が答弁に載せたかは知りませんが,予算に計上して今から検討するという脳天気さが分かります。

それを置いて,

偽科学は,悪徳商法の一つの重要な部類となっています。



このような答弁が問題となるのは,

偽科学が,権威を利用して,あたかも,効果があるかのように喧噪し利用し,結果的に,騙される人が後を絶たないからです。

このような心配は,この報告書にも少し書いています。



22. When the NHS funds homeopathy, it endorses it. Since the NHS Constitution explicitly gives people the right to expect that decisions on the funding of drugs and treatments are made “following a proper consideration of the evidence”, patients may reasonably form the view that homeopathy is an evidence-based treatment.(Paragraph 109)

 NHSが,ホメオパシーに予算付けすれば,

 NHSが,ホメオパシーを支持したことになる,

 そうなれば,NHSという公的組織が,薬や処置の予算付けをしたこと自体が「ある一定の証拠に基づいて正しく判断され」てなされたものだ,または,患者が,ホメオパシーが証拠に基づくものと見てしまうのも道理である,このような期待を,NHS自体が国民に持たせてしまうことは明らかである


 かなり適当な訳で申し訳ないが,権威ある組織によってホメオパシーが扱われることで,証拠に基づくものと国民は思ってしまうという効果を懸念しているのです。

 

 プラシーボ効果しかないのであれば,何の効果もない薬でも,自分が効果があるものと思って飲めばよいということになります。

 

 しかし,ホメオパシーという言葉を借りて,ホメオパシーに薬効があると思って高い金を払う場合があります。

 

 これは,被害者側からみれば,ホメオパシーに対して,高い効果があると思っているのですからからこそ金を払っているわけですので,明らかに騙されています。

 

 しかし,極めて難しいところですが,

 ホメオパシー信者(敢えてこう言います)は,騙されたとは思っていません。

 確実に薬効があると思っているのですから,更に,何らかの資料を出してくるはずです。

 この国会答弁も,必ず利用される資料となります。

 
国会で大臣が言及する程のものである

という使い方となります。



 このような消費者問題は,極めて大変です。

 薬効を争うのに,自明なはずなのに,裁判となれば,偽科学であることを,科学的な根拠,資料をもって主張立証しなければならないからです。

 

 お金を払う前に,ネット検索を十分にして下さい,

 後で取り戻すのは大変ですよ

ということになります。

Last updated 2010.02.25 01:07:25



H22.6.19現在のコメント
なぜ,この問題を取り上げたかですが、幾つか理由があります。
一つ,
科学的問題が含まれる事件は,かなり大変ということ
一つ,
問題となる事件類型は,消費者事件と言う類型です。弁護士は得意分野がなんだろうと技術に興味がないといっていられない。
一つ,
安易に権威がある機関で取り上げるのは止めて欲しい。自分の発言がどれだけ影響があるかを考えて欲しいということ。


被害者なのに,
素人なのに,
という言い訳は通じません。