2010年6月18日金曜日

割賦販売法,特定商取引法改正

割賦販売法,特定商取引法改正
[ 弁護士の仕事:消費者 ]

Last updated 2010.01.27 11:35:17
http://plaza.rakuten.co.jp/utuboiwa/diary/201001270000/

弁護士会の研修単位の関係上,余り興味がないながら研修を詰め込んでいる。
先日,消費者問題(基礎)の研修に行ってきた。

消費者契約法,割賦販売法の基礎的部分であり,殆ど既存の知識の範囲内ではあったが,成果があった。



余り宣伝されていないようなのでメモ的な意味も含めて書いておくが,平成20年に,割賦販売法が改正され,かなり重要な部分の改正がされている。

クーリングオフされた場合における,クレジット会社に対して直接既払い金を求めることができるとした規定である(割賦販売法35条の3の10第9項)。


9 個別信用購入あつせん業者は、申込みの撤回等があり、かつ、第5項本文の規定により個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは個別信用購入あつせん関係役務提供契約の申込みが撤回され、又は個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは個別信用購入あつせん関係役務提供契約が解除されたものとみなされた場合において、申込者等から当該個別信用購入あつせん関係受領契約に関連して金銭を受領しているときは、当該申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。





販売会社,消費者,クレジット会社の関係は,簡単にいうと,次のとおりである。

販売会社→消費者   商品等

クレジット会社→販売会社 立替金交付

消費者→クレジット会社   クレジット契約に基づく支払



今までは,クーリングオフしても,クレジット会社に対しては,支払停止の抗弁が主張できたのみで,今後の支払については止まるが,直接に既払い金をクレジット会社に求めることはできなかった。

しかし,前記規定により,既払い金をクレジット会社自体に求めることができるようになったのである。

この改正は,実に影響が大きい。既払い金を求めるにしても,いいかげんな業者であれば,そもそも,もう会社がなかったり,社名を変更したり,住所を変更させたりして,業者に対して既払い金を求めるにも事実上困難なことが多かったのである。





クーリングオフは短い期間のみで主張できるので,余り既払い金が積み重ならないのではないか,余り意味がないかという,意見もあろうかと思うので,消費者事件におけるクーリングオフの重要性を改めて記載しておく。



クーリングオフは,短い期間のみ認められるというのが一般の理解だが,法律や積み重ねられた判例からすれば,そうでもない。

今,私がやっているのも,2年以上前の契約であるが,クーリングオフを主張している。





クーリングオフは,消費者を困惑させたり,退去を止めさせようとしたりする行為によりできる場合がある。

しかし,この消費者困惑とか,退去を止めさせたりしたという事実自体は,消費者が主張立証しなければならないため,書証等も通常はなく立証が困難であるし,相手もなかなか認めない。



そこで,一般には知られてはいないが,

クーリングオフは,通常,

法定書面の交付

から,クーリングオフ期間が経過するのである。



この法定書面は,かなり厳格に運用されており,いいかげんな販売業者であれば,かなりの確率で,記載不備,記載抜けがある。



つまり,記載不備・記載抜けの契約書(らしき書面)が交付されていたとしても,

法定書面の交付

にあたらない,

したがって,法定書面の交付日から起算されるクーリンオフ期間は経過していない

という理論構成である。

いうなれば,クーリングオフ期間に関わらずクーリングオフ行使ができるということになる。



この理論構成は,書面上の話であるから証拠としては明確であるし,しかも,後の追完が難しく(速やかな交付が要求されていたり,記載事項が全て一体としてされていなければならないからである),かなり強力な主張となる。

しかも,法定事項が完備していることの主張立証責任は,販売会社ないしクレジット会社に存する。いいかげんな業者は,そもそも書類が保存していなかったりするので,それだけで,クーリングオフが認められることになる。



期間が経過していても,クーリングオフが可能な場合が,かなりあるということである。



既払い金自体の額も多くなることもあり,前記クレジット会社における直接の義務が,大きな意味を持つことになる。



改正前の取引には適用されない問題点はあるが(支払停止の抗弁は可能である),革命的な改正だったといってよい。



クーリングオフ期間経過されているからといって,諦めないことが必要と考える。

Last updated 2010.01.27 11:35:17


現在のコメント
クレジット会社から訴えられた消費者事件で,状況主張をしたところ,
クレジット会社が,販売会社に訴訟告知し,
後に補助参加した係属中の事件があります。
資料が無く,
こちらから既払い金全額の返還と商品交換の和解を申し出ています。