2012年12月6日木曜日

外国人参政権(2)違憲と許容,禁止

外国人参政権(2)違憲と許容,禁止 
2 違憲と許容,禁止


Last updated 2010.02.18 20:58:44
http://plaza.rakuten.co.jp/utuboiwa/diary/201002180000/


  憲法は,最高法規であるから,憲法に反する下位法は存立できない。

  違憲と許容の考えを整理しておく。


 憲法に書いてある,○○を「保障」するとしている場合に,

  ある法律が,○○を「禁止」することは違憲であり存立し得ない。

   ある法律が,○○を「除外」した場合も,違憲である。

いずれも,○○を保障していないことになるからである。

   ある法律が,○○を除外することなく××も保障することを認めることができるか,××が禁止されているか,許容しているかという論点となる。

 

 外国人参政権問題では,国民に参政権が保障されるとするのは,全くに争いのないことである。国民を排除する参政権はあり得ない。

 

問題は,国民に加えて,外国人に権利を認めることが,どうかというである。

まず,憲法上保障されていると認められない

と最高裁はいう(最三小平成7年2月28日・民集49巻2号643頁)。



つまり,認めなくても違憲ではない

と言っていることになる。

では,認めた場合は,どうかという点で争いになっている。



先ほどいう××という追加が禁止されているか,許容されているか

という点が問題になるのである。



このような法律,つまり,外国人に参政権を認めた法律等はなく,それに対する答えは未だ最高裁は出していない。そのため,この問題に対する判断はされていないとするのが,通常の読み方である。

結論を求めるべき対象がないのである。

 

 この最高裁の事案は,外国人に参政権を認めていないのは違憲である,

つまり,先ほどの例でいえば,××も○○と同じく保障されているのに,法律では排除されているから,違憲である

という立論に対する答えが求められた。



この結論に対しては,○○しか保障していないから違憲ではない

で終わっているのである。




最高裁判決が,なぜ問題となるかであるが,

同最高裁は,前記の判示に続けて,



このように、憲法93条2項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえな いが、憲法第8章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、




住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は,




その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、




 我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、




その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。
と判示している部分である。

この最後の段落部分が,聞かれてもいないことに答えている判示の部分を指して,最高裁は,許容説をとっていると評されるゆえんである。

反対説からは,傍論といわれるが,聞かれてもいないことに,答えており,聞かれていることについては答えた後に,付け加えて判示しているから,傍論といっているのである。



賛成説からは,保障はないが法律で許容してもよい,××を認めることは,禁止はされていない

という根拠とすることになる。



違憲と許容については,かなり意味を取り違えて論じられている場面が多い。

保障されていない即「禁止」とはならない

ことを頭に入れておかねば,議論がかみ合わないこともあるので注意が必要である。

次には,更に量的許容がある場合との比較を考えてみたい。

Last updated 2010.02.18 20:58:44


H22.6.18現在のコメント
賛成するにしろ反対するにしろ,
用語を統一的に理解することは重要です。

特に外国人賛成派の最後のよりどころは,
この最高裁判例の判示に他なりません。

その議論の中で,最高裁判例を否定するだけ,批判するだけに終始すべきではないというのが,私の考えです。