2010年6月23日水曜日

ドリトル先生からみる弁護士の役割・・・個人とビジネス社会

ドリトル先生からみる弁護士の役割・・・個人とビジネス社会
[訴訟戦略:かかりつけ弁護士]


Last updated 2010.04.09 12:19:57
http://plaza.rakuten.co.jp/utuboiwa/diary/201004090001/



「ドリトル先生物語全集  6 ドリトル先生のキャラバン」

(岩波書店,1962年3月13日) 

ヒュー・ロフティング 作
ヒュー・ロフティング 絵
井伏 鱒二 訳



坊のために,古本屋でみつけました。

訳者が有名すぎるぜ

で買いましたが,

安く買えた(値段忘れた,たしか300円位)



原文は知りませんが,井伏節が出ている感があります。

やはり訳文が素晴らしいです。



この巻のはなしは,簡単にいえば,



ドリトル先生が,カナリア・オペラ,サーカスを企画し大成功し,

動物たちもお金持ちになったという話です。

(パガニーニが,登場人物となっているのが,すごい)



ドリトル先生は,動物が尊敬されないことを憂慮し,


一つは,銀行に預金をもつこと

もう一つは,自分で弁護士を雇うこと



で,世間の尊敬を集めるといって,実行に移そうとします。



大金持ちになった動物たち,特にブタのガブガブは,かなり調子こきます。

不法なこと不当なことをすれば,

私の弁護士をつかって,裁判所に放り込む!

旨いきがります。




弁護士が,悪く書かれているのか良く書かれているのかイマイチ,ぴんとはきませんが,少なくとも,

自分専用の弁護士を持つべし

というのが,(イギリスでの)周知当然の常識ということは分かります。



銀行の話は,信用があるということで,

弁護士の話は,自己の権利を自分で守るという意味があります。





50年前以上に書かれた話ですが,

今でも,日本には,かなりの人ではないと,

そういう気持ち(特に後者)にさえならないのかもしれません。



しかし,これからは違ってくると思います。



例えば,

(大きな利益を得た,得そうな)iPhone/iPadアプリのデベロッパー

の方々です。



個人の方が,いきなりに,ビジネス世界に巻き込まれる可能性があります。


契約書を作ったり,権利擁護のために知財を扱ったりすることが強いられる場合があります。



そもそも,制作に専念されたい方が多いと思いますが,ほっておいたら,いいようにされる可能性があります。



大きな会社では,弁護士が当然ながら背後にいます。

結構誤解がありますが,

 
会社の弁護士は,あくまで会社の利益のために働きます。


相手の弁護士を信用してというのは,通りません。



弁護士は,依頼者の利益を最善にするために働きますので,公平ということが,基本はあり得ないぐらい,思っていなければなりません。





勿論,契約関係というのは,力関係です。

つまり,契約を是非とも結びたいという側の反対側が

契約の内容についても主導権を握ることがあるのは当然です。



しかし,それでも,全て毟り取られたという最悪の事態を避ける必要があります。



せっかくいいアプリを開発したのに,契約で全て著作権譲渡になっていた,

ことだって,あり得ない話ではありません(実際は,よくあります)。



また例えば特許ですが,

発明者として登録されているだけで,出願人とされていなければ,権利者ではありません。権利者は,あくまで出願人となります。







会社の顧問弁護士に相談すれば,いいとか,

相手方の弁護士は,自分の利益のためにも働いてくれるだろう,

とかというのは,極めて甘い考えです。




日本では,弁護士は,公平である

という観念が一般にある

(一般に信頼できるという意味では,いいのですが)

のは,大変な問題と思います。



自分にとってのみ信頼できる弁護士を見つけておく

いつでも相談出来る弁護士を見つけておく



というのは,今は,個人の方でも重要な時代に入ってきたと思います。



ドリトル先生の動物たちが,いきなりに,お金持ちになった環境は,

ビジネス社会に,いきなりに放り込まれた環境と,よく似ているものと思いました。



その際に,最初にすることとして,

自分の弁護士を雇う

という風潮がイギリスには普通にあるということになります。



ドリトル先生は,子供向きの本ですから,これが教育目的も含んでいるのかもしれません。



ドリトル先生は,意外と現実的で,世俗的です。

しかし,

マシューとアヒルのダブダブは,更に上を行き,まだ先生は,甘いと言われています。



日本では,

ドリトル先生の甘い考え

に達している人も,少ないと,この本を読んで思いました。



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H22.6.23現在のコメント

井伏訳ドリトル先生シリーズは,
岩波少年文庫から,
いまでも出ています。

小学校3〜4年生向け

ということですが,

今の国語の進みでは,読める子がどれだけ?
と憂います。


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