2010年6月18日金曜日

知らない,記憶にない,分からない。

知らない,記憶にない,分からない。
[ 尋問 ]

Last updated 2010.01.27 16:56:21
http://plaza.rakuten.co.jp/utuboiwa/diary/201001270004/


反対尋問のような,証言者が,敵対関係にある場合,特に起こることであるが,

こちらの質問に対して,

知らない,記憶にない,分からない

という答えをした場合には,注意を要する。

一見似ているが,別物である。

◎◎を知っていますか?

という質問に対してなされる場面である。



知らないというのは,

対象を真っ向から否定する証言(回答)である。



記憶にないというのは,

対象を肯定も否定もしていないので,証言をしていないのと同じである。



分からないというのは,

知らないと同義と捉えれば対象を否定する証言であるが,記憶にないと同義であれば,証言をしていないのと同じことになる。



「知らない」の例

Q:◎◎という事実を,知っていましたか?

A:知りません。

これは,事実を否定する証言である。

念のためいうが,

通常,裁判になってから,事実があるかないか知ることになることも多いから,

A:今は知っています。

という答えの場合は, 当時は知らなかったのか,当時も知っていたのかを確認する必要がある場合がある。


「記憶にない」の例

Q:◎◎という事実を,知っていますか?

A:記憶にない。

これは,確認する必要がある。

本来の答えは,知っているか知っていないかであるから,十分な回答となっていないのである。



1 知らないという答えのつもりか,

2 本当に知っているか知らないかについて記憶がない

という趣旨が一応含まれていることになる。

1は,事実を否定する証言であり,

2は,事実を,どちらとも証言していない

ということになる。



「分からない」の例

Q:◎◎という事実を,知っていますか?

A:分からない。

この場合も,回答としては不十分なので

更に突っ込む必要がある場合が多い(敢えて,放っておく場合もある)



1 知らないという意味で,事実を否定しているのか,

2 もう忘れてしまっていて,分からないとしているのか,

分からないのである。

1は,事実を否定する証言である。

2は,事実について肯定も否定もしていないということになる。



否定する証言を得るために出された証人で,2の場合であれば,意味のない証人だったということになる。




調書でも,同じことが起こる。

◎◎については,知りません

と明確に記載されたら,否定の供述となる。

肯定する証拠があれば嘘を言ったということになりがちである。



◎◎については,あったかなかったか記憶がない

と書かれたら,嘘を言ったことにはならないが,当然記憶しているところを記憶していないと認められれば,この証人自体の信用性につながる問題となる。

Last updated 2010.01.27 16:56:21


現在のコメント
証人尋問は,やはり難しいです。
気づいた点を時折書き,自問したいと思います。