2010年6月18日金曜日

管轄,送達,訴額・・・試験には出ないが,

管轄,送達,訴額・・・試験には出ないが,
[ 司法試験対策 ]

Last updated 2010.01.30 10:00:33
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管轄,送達,訴額
試験には出ない(こともないが,軽視)が,実務的には,最も注意が払われる分野の一つである。



管轄

  通常は,被告の住所地が管轄(普通裁判籍という)となる。

  100万円の裁判で,遠い地方の支部で起こさなければならなければならないとなると,それだけで,赤字となる。

  逆に,相手が遠くにいれば,裁判自体を欠席する可能性もある。

  弁護士としても,事務所の近くで起こしたい。

  無理矢理(そうでもないが),持参債務を請求することにより,管轄を有利にすることもある。

  持参債務とは,簡単にいえば,債務者が債権者の住所地にまで持ってこなければならない債務である。民法では,基本は持参債務(例えば,不法行為による損害賠償請求権が典型例である)となっている。



不法行為による損害賠償請求では,

  普通裁判籍:被告の住所地

  不法行為地

  持参債務として,原告の住所地

を原告により選択できる。





送達

  かなり試験ではマニアックなところだが,実務的には,かなり重要である。

  送達とは,簡単にいえば,裁判所からのお手紙である。

  訴訟を起こす場合に必要な訴状は,裁判所を通じて,被告に送る。

  被告に送達されて,初めて,裁判が正式に係属することになる。

   被告の住所地が分からない場合,訴訟提起ができないので,まずは,住所の調査が必要となる。

  被告の住所地が分かっても,留守で不在であって,裁判所に戻ってきた場合,この場合は,住所地にいることはいるが,不在だというこあれば,付郵便送達というものが可能である。

  これは,郵便が到達したときに,送達がされたものとするものではなく,郵便を発したときに送達がされたものとするものである。

  被告の住所地が分かっても,実は,もうそこには,既にいない。この場合は,公示送達という手段がある。裁判所の玄関等に貼り出し,送達されたものとみなすというものである。

  付郵便は,いるけど不在

  公示送達は,今はいない

というもので,全く違うようにみえるが,実は,通常送達で,目的が達し得ないときは,裁判所は,原告側に,住所の調査地を要求する点で同じことをしなければならない。

 

  実際に現地に行って,調査をしてこい!

というのである。

 付郵便のいるけど不在というのであれば,

   表札がある(いる!)

   郵便物が溜まっていない(取っている形跡がある→いる!)

   電気・ガスメーターが回っている(いる!)

   近所の人に話を聞いて,留守がちだけど,今もいますよと聞く

などを調査する必要がある。

  公示送達の場合,もういない!ということを調査して書面を裁判所に出す必要がある。

   さっきの逆で,  

    表札がないとか,郵便物が溜まっているとかということを調査することになる。



  管轄を近いところということで,遠い被告の住所地を避けた場合,被告に送達ができないときは,悲惨である。

  私も経験したが,大阪の地方支部の簡裁(訴額は,確か50万円弱だったと思う)での出来事だが,被告の住所地は,東京であった。

  遠いのでいけないという泣き言は通じず,裁判所は,調査しないと,付郵便も公示送達も出せないというのである。

  丁度,東京へいく用事があったので,ついでに(て行っても,かなり目的地とは離れたところ),行けたので,なんとかなった。





  この問題,普通送達が戻ってきたら,次は,どうすれば,よいか?

という質問を司法試験受験生に聞くと,

  公示送達をすれば,いい!

と簡単に答えることが多い(正答率は,今のところ0%)。



  まずもって,付郵便送達が,思い出せない(知らない)

  公示送達が,そんなに簡単に出してくれない,

  付郵便送達の調査と,公示送達の調査とは,実質的に同じ作業となる

ということが分からないのである。



極めて実務的な問題であるので,受験生が分からないのも当たり前であるとはいえる。



試験では,出題者側では,極めて常識と思って出したところが,実は,受験生側では,そんなん分かるか!というギャップもあることも多い。



偉そうに書いているが,実務で重要性が分かった次第である。





訴額

  まず,訴額で重要なのは,弁護士費用である。通常,訴額で弁護士費用の額が決まるからである。

  それを置いても,訴額には重要な意味がある。



  まず,140万円の範囲か否かという区別は重要である。簡裁か地裁かという選択があるからである。

  簡裁は,地域に多くあるから,これも管轄に絡む場合もあるが,近くの地裁でやりたいという動機もある。

  簡裁では,弁護士が代理する必要がないから,弁護士代理を期して,地裁を選択したい場合もある。



  細かいことをいえば,簡裁では,

  同じ時間に,10件20件を事件を入れる場合があるから,始まりが10時と言われても,昼頃までかかることもある

ので地裁でやりたいということもある。



  そして,訴額に絡むもので印紙代がある。

  印紙代は,訴訟の際に貼付しなければならず,基本的には依頼者の負担となる。むやみに依頼者に損をさせないように気をつけなければならない。



  特許訴訟等の知的財産に関する訴訟であれば,損害賠償に加えて(これは,請求金額が,訴額となる),販売停止等の差止が請求に入る場合がある。



 差止の訴額算定は,専門部が基準を決めているが,自分の売上や相手の売上,特許権等の存続期間を基準にするので,かなり訴額が大きくなる場合がある。一個ずつの商品金額が大したことがないのに,訴額が膨らみ,印紙代が過大に(そうみえるだけだが)なる場合もある。  



 意外と悩む,そして考えなければならないマイナー分野(試験では)である。

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現在のコメント

実務家は当然と思ってても,
受験生では,分かりにくかったり,
ピンと来ない分野も多いです。