2010年6月18日金曜日

示談書,嘆願書,被害届取下・・・全部貰うのは大変だ。

被害弁償,示談書,嘆願書,被害届取下・・・全部貰うのは大変だ。
[ 刑事を考える]

Last updated 2010.02.13 11:27:39
http://plaza.rakuten.co.jp/utuboiwa/diary/201002130000/


刑事事件で,被害弁償・示談ができた。

被害者がいる事件の場合,

1 被害弁償

2 示談

3 嘆願書

4 被害届(告訴)取下

ができるとできないとでは,処分が完全に異なる。

仮に起訴されたとしても,判決結果に重大な影響を与える。

刑への影響の度合いは,

  1→2→3→4

の順で,4が,最も刑が軽くなる情状となる。



刑事弁護において最も力を注ぐべきものである。



   被害弁償

   簡単にいえば,犯罪とされた被害を回復させるためにするものである。私の場合,被害弁償受領書という形で,被害弁償だけをする書面を独自に作成する場合が多い。

   被害弁償の領収書といえば分かりやすいか。





   示談

   簡単にいえば,民事上の和解である。事件について,刑事における財産犯等の場合,民事上においても被害者は加害者に対して,法律上は損害賠償が可能である。それを訴訟外で解決する手段である。

   被害回復の外に加えて,示談金を支払うことが原則である。

   示談書には,理論上は何を盛り込むことも可能である。被害者に対する謝罪の意向,被害者が加害者を許す旨等が入ることが多い。

  示談書では,債権債務がないことを約束する清算条項を入ることになる。



  嘆願書

  厳しい刑にしないでくれと書いていただく書面である。

  被害弁償,示談もしないで,嘆願書のみをくれることは殆どないので,被害弁償,示談に加えて書いて貰えるかというものである。

  事件はそれぞれ個別であるから,表現も色々となるのが普通である。

  定型的に書くのは貰わないよりはマシだが,余り効果はない。

  

  被害届(告訴)取下げ

  最も情状に影響する書面となる。捜査機関宛に出すことになる。

  親告罪(器物損壊,名誉毀損等)では,告訴取下がされると起訴ができないので,起訴前にされれば,起訴猶予となることが確実となる。

  ここまで貰うのは,かなり難しい。 

  捜査機関も,被害者に思いとどまらせようとする場合も多い。

   

 全部貰うのは大変である。被害弁償はよいが,示談はしない,示談はするが,嘆願書は書かないとなる場合も多い。

 

 なお,これらの書類は,検察官に提出することになるが,そうなった場合,検察官が被害者にその意思確認をする場合が多い(しない検察官は,おかしいと思ったほうがよい)。



 この意思確認の状況を,電話聴取報告書という形で公判廷に提出される場合が多くなったと思う。

 本当は示談する気はなかったが等書いてある場合が普通である。



 弁護人としては,提出前の証拠開示のときに,激怒すべきである。

 

 苦労してとった示談書等を,電話聴取報告書という簡単な形で覆そうとするもので,内容的にも誇張されている場合が多いのである。



 法律的な対抗手段としては,電話聴取報告書は,法律的には,3号書面に該当する。刑事訴訟法321条1項3号の書面であり,弁護人の同意がなければ原則的には提出出来ない書面となる。

 本当に,示談の意思状況が問題となり,弁護人の取得の仕方にも問題があるのならば,被害者を呼んで若しくは自宅等に行き,2号書面(刑事訴訟法321条1項2号の検察官面前調書)を作成すればよいのである。

 この申し出をし,明日明後日まだ期日まで時間があるから,2号書面として提出して欲しい,2号書面で提出されたら同意すると言ったら,電話聴取報告書の提出をしなかった例もあった。

Last updated 2010.02.13 11:27:39