2010年6月18日金曜日

知財事件の争い・・・似ている?似ていない?

知財事件の争い・・・似ている?似ていない?
[ 知的財産:全般 ]

Last updated 2010.02.12 21:45:06
http://plaza.rakuten.co.jp/utuboiwa/diary/201002120001/


知財侵害事件では,特許,実用新案,商標,意匠,著作権,不正競争でも,

大体,似ている?似ていない?の争いである。



特許・実用新案ならば,公報の「請求の範囲」の文言侵害となるか,

商標,意匠,著作権,不正競争防止法(周知性,著名性)ならば,類似性が,問題となる。



侵害対象品・・・知財事件では,イ号物件という。
が,

権利実施品(権利者の製造したものとは必ずしも一致しない)

と全く似ていないのであれば,侵害の問題は,生じない。


同一なところ(一致性),

似ているところ(類似性)

があるからこそ,侵害の問題が生ずることになる。





大雑把ではあるが,

判断の方法は,大体共通していて,



権利者が,権利侵害と主張する範囲の中で、

共通する部分、

異なる部分を取り出し、

共通した部分について

著作権侵害ならば,

著作物性が認められる創作性があるか(創作性がない部分について共通しているにすぎないか),

若しくは,その異なる部分も加味した上で両表現を比較して「同一性」があるか否かを判断することになる。



類似性・同一性ある部分が多ければ多いほど,侵害に傾き,

非類似性・非同一性の部分が多ければ多いほど,非侵害に傾くが,





類似性・同一性がある部分に,著作権侵害ならば,著作物と認められるべき創作性が保持されなければ,

 創作性が具備した部分に同一性・類似性があるという形にならない。

 

 非同一性部分,非類似性部分に権利者の創作性が具備されていたとしても,侵害品(イ号物件)には,創作性が具備されていたとされる部分が同一・類似しておらず,創作性がある部分を避けて作成されていると評価されることになる。



 

この判断方法は,

 創作性具備の判断と

 侵害対象部分の判断とを

一挙に行うことができる合理的な方法といえる。





具体的には,

権利者(侵害を主張する者)は,

類似性部分,同一性部分を,より多く具体的に主張する必要がある。

具体的にできなければ,抽象的な範囲でしか,似ている部分がないと評価されることになるからである。



例えば,

◎◎と○○というボタン,

という主張では,侵害者(侵害を主張された者)は,

◎◎と○○というで修飾された「ボタン」については,共通したものと認めざるを得ない。

しかし,単に,

ボタン

という抽象的な主張では,

他の似ていない部分を強調して,同じボタンではない

そもそもボタンがあること自体は当たり前であり一般的である

創作性がない

という反論となる。



言うなれば,具体的に類似性・同一性が主張できない程度では,著作権侵害を認めるのは困難なのである。





そして,権利者としては,

類似性・同一性がある部分が多いほどよいから,表現を工夫して,

より,類似性・同一性があると評価できるような共通点の主張をするが,



逆に,侵害者とされた者としては,

共通点と特定された主張が妥当でないとして,より共通点を狭めるように主張・反論をしていくことになる。



この主張・反論は,極めて書面の枚数が多くなりがちである。

私も,仮処分の事案であるが,70頁ぐらいを,延々と主張したものがある。







文字商標でない商標,

意匠,

著作権,

類似性が問題となる不正競争

は,権利実施品自体が,文字化されていないから,これらを,自分で考えないて,文字化しないとならない。実は,大変難しく慣れを要する作業である。



例えば,意匠ならば,

形をにらめっこしながら,

やや真ん中が膨らんだ円状に等

と形を文字化していく作業が必要となる。



それに比べて,

特許

実用新案

は,当初から,明細書という形で,文字化されているので,

権利実施品については,明細書の文言通りであるから,割と楽にできることになる。

侵害品(イ号物件)については,その物とにらめっこして,形を具体化していく必要がある。



物を文字化して表すのはいずれにしても難しい。

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