2010年6月21日月曜日

公の場での装う力

公の場での装う力
[ 弁護士の仕事 ]

Last updated 2010.03.17 12:10:54
http://plaza.rakuten.co.jp/utuboiwa/diary/201003170000/


民事でも刑事でもそうですが,

  法廷

というのは,極めて公の場です。



公の場で,それにふさわしい振る舞いができるか

というのは, 社会的にも求められる能力の一つです。

     公の場での装う力

とでもいえましょう。





入学式,卒業式,成人式,結婚式,葬式等

社会的にも,

公の場では,公の場にふさわしい振る舞いが必要となります。

本来の自分は違うは,関係ありません。





公の場でふさわしい振る舞いをできることは,

公に対する敬意があることに,つながります。






どんなに普段駄目な子でも,卒業式が立派であれば,涙が出ます。

どんなに立派な先生でも,卒業式に公を尊敬できない態度をとれば,それだけで怒りは勿論,失望が芽生えます。





それと同じで,裁判という公の場で,

  本当の俺は違うんだ!

みたいな態度は,それ自体,公の場に敬意を持たないとして,

不利益に扱われるのは,当然と考えますし,実際も,そうです。





公の場に対する敬意は,

  そこでの言動の一切

   態度,服装,髪型,目つき,言葉遣い・・・

からみることができます。


破産の審尋で,華美な服装をしていたり,

ノンフォーマルな普段着を着て法廷に現れたり,

尋問で,ぞんざいな言葉遣いをしたり・・・・



日本には法廷侮辱罪というものが,存在しません。

私個人的には,法廷の公を高めるために極めてキツイものを整備すべきと考えますが,現時点では,ありません。



しかし,確実に,裁判官の心証には影響します。



弁護士がスーツが多いというのは,このことがあると思います。

弁護士にとっても,最も聖域化(厳粛化)しなければならないのは,法廷です。

裁判所が,それなりに尊敬されているからこそ,公の場という意識があるからこそ,強制力が発揮されるのです。



それを利用しようとする弁護士は,まずは,裁判所を聖域化する必要があります。



この装う力を,よく知っている人と知らない人では,裁判にかなりの影響を与えます。



例えば,ヤミ金が相手であれば,本人が裁判所に来るときは,確実に地味なスーツです。髪型も一般受けするようなまともなものです。言葉遣いも丁寧です。

違法業者であるからこそ,公の場では,それなりの態度をとるのです。

刑事事件におけるヤクザでもそうですね。


彼らの装う力は大したものです。



最近,装う力を訓練する機会がなくなっているからでしょうか,

言わないと,できない人が増えている感がします。



これも弁護士の仕事の一つです。

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H22.6.21現在のコメント

ある少年(被疑事件では,こういう)から鑑別所での過ごし方を聞かれました。

私は,本当に少年院に行きたくないなら,足掻きなさい。
馬鹿らしいと心の中で思っても,
言われたことは完璧に
掃除をするように言われたら丸く掃かずに隅から隅まで
手紙を書けといわれたら一般に受けの良い内容を
嫌いな食べ物が出たら食べろ,どうしてもダメだったらトイレで吐け
大人からみて「良い子」になれ!
と言いました。

装うでいい,
自分たちの世界・論理をひとまずでいいから捨てなさい
良い社会記録を作るために足掻きなさい

と言いました。

特に少年にいえることですが,
私は少年の世界のことは,分かりませんし,
実際理解できる訳がありません。

しかし,大人の論理は分かります。

そして大体は彼らも大人の論理は分かっています。
装う力は決して恥ずかしいものではないことが
分かっていないだけが多いといえます。

幸い,このアドバイスをした少年は鑑別所には行きませんでした。
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