2010年6月18日金曜日

HEROをみた。

HEROをみた。
[弁護士,検察官]

Last updated 2009.12.15 02:28:53
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HERO 映画を,テレビでみた。
映画としては楽しめるが,実際との違いを書いてみるのも面白いと思う。



キムタク演じる検事は,6年振りに,元いた支部に転勤で戻ってくる。

次席検事からの強い引きによるものとされる。

久しぶりに来た支部には,元の検事たちと事務官が

・・・・・キャストを同じくするために仕方がないのだが,

検事,特に正検事の異動は激しい。裁判官の転勤よりも激しい。

同期も,あっという間に,違うところに行ったりする。

次席(かなり偉い!)が残ったままも凄いが,元いた検事と同じメンバーが同じ支部に,6年を経た後に,いるというのは,確率論的にも,かなり難しい。



最強弁護士

・・・・

傷害致死事件の無罪を勝ち取るのに,簡単な事件と言い切っていた弁護士である。

刑事事件で,しかも起訴後事件で,無罪をとることについて,簡単とは,私では,一生言い切れない。さすがである。



ふと思ったが,この人は,起訴前には現れなかった感じを受けたが,起訴後だけを受任したのであろうか。傷害致死は,起訴必至事案であるが,それでも,起訴前に活動することもできるであろうに。



弁護士は,ドラマでは,かなり悪く書かれるが,この映画では,割といい印象を持たせるように作られていた。

余談だが,ドラマ白い巨塔(新しいやつ)は,すごかった。

医療過誤の被害者側で,ドラマでは,良い立場役の弁護士が,敗訴した控訴審の弁護士費用のために,家を売らせていた。



演説風の証人尋問

・・・・

裁判を主な舞台にすると,絵になるために,ドラマを盛り上げるために仕方がないのだが,演説風の証人尋問のシーンとなってしまう。

法曹ではない友達とかから,

本当に,あんなんなん?

と聞かれたときは,

本当だ!

と答えてしまう自分もいるが,

実は,ここが,最も違う点である。



証人尋問は,しゃべったことが証拠となるもので,

自己の体験した事実が証拠となる。



特に,自分が申請した証人を尋問するときには-これを主尋問というー極めて制限が多い。

誘導もダメだし,事実ではない意見を言わせるのもダメである。

本来,弁護人なら,異議をいって,尋問を止めないといけない場面であるが,弁護人は,スルーしていく。

実際,主尋問で,神経を配らなければならないのは,どのような答えを調書に残していくかということである。

実は,証人尋問は,かなり地味である。



決定的な証拠(携帯電話の写真)を,法廷外から出され,急に申請し,中身を見てから証拠の採否を決めるという裁判官。中々,ぶっ飛んだ訴訟指揮であるが,弁護人は,これにも何ら反応を示すことなく,取調べについて,その場で同意してしまう。



法廷シーンは,なぜか,裁判官の後ろに,本棚があり,全面に本が埋まっていた。絵が寂しかったのであろう。



感心した点もある。

キムタク検事は,調書を,何度も何度も読み返している。

事務官に,また読んでいるの?と非難を受けていたが,

これこそが,法曹の必須能力と私は思う。



また,証拠を集めるために,楽をしない姿勢も極めて好感である。

一度,シーンを全てじっくり見て,全部を洗いざらいやってみたいが,このドラマ・映画の後,検事任官希望者が増えたそうだ。

何にせよ,職業へのあこがれは,必要だとは思う。



苦労して取った示談書を提出したら,

電話聴取報告書を事務官に取らせて,

示談書にサインをして,お金をもらいましたが,本当は示談する気持ではありませんでした。

旨の証拠を出そうとした女性検察官がいた。
激怒したことは,言うまでもない。



私より期は若かったのだが,楽をしようとする検察官も,残念ながら,現実にいる。

あの検察官は,誰を憧れたのであろうか。

Last updated 2009.12.15 02:28:53