2010年6月18日金曜日

知財って儲かりまっか?・・・特にネットの
[ITC法:知財]    

Last updated  2010.02.23 01:31:52
http://plaza.rakuten.co.jp/utuboiwa/diary/201002220002/



知財て儲かりまっかと,よく聞かれる?

(実際は,このような露骨な大阪弁は余り聞かないが・・・)



どうなんだろう。

 

知財侵害の損害の計算方法は,特許,実用新案,商標,意匠,著作権等

を問わず,大体共通しています。

 

大雑把にいえば(見事に大雑把です),認められる額は,

 自分の利益,他人の利益

 or

 許諾料

となります。

 

1 自分で売っている場合は,

  自分の利益or他人の利益を,請求することが推定される。

2 自分で売っていない場合は,

  許諾料です。

 許諾料は,実施料ともいい,

 自分の権利を他人に使わせる使用料金といってよいです。

その計算式は,

 利益×実施料率 

で,大体実施料率は,数%となります。

 計算式から考えれば当たり前ですが,1より金額が安くなる可能性が高い

 

 どこからどこまでの期間が遡れ,損害賠償と認められるかは,時効が関係します。

特許,商標,意匠では,

  権利登録時~3年間(1の場合)

       ~10年間(2の場合)

実用新案は,少し特殊で,地裁判例しかなく争いはありますが,

  権利登録時ではなく,

  登録後の実用新案技術評価書の相手方提示時~3年間(1の場合)

                      ~10年間(2の場合)

著作権では,

  権利発生時~3年間(1の場合)   

       ~10年間(2の場合)

となります。

 

 

 意外といけるじゃん!

と思った方,

 相手が,その製品をものすごく売っていたら,確かに高くなるとはいえます。

 

基本は,利益をはぎ取ることが目的

ですから,

 

 

内では,沢山売っているが,調べてみたら,殆ど売っていない場合は,どうか?

この場合は,いくら自分が一杯売っていても,高くはなりません。

 

 1は,損害額の推定ですので,帳簿等を出して精査して実際売っている値段,数,原価率等を計算して算出された額が,少額であっても,それを越えることはできません。

 

 そのため,あいつは凄い売っているぞ!と思って裁判をしても,勝つには勝ったが,損害額が,ほとんどいかない場合もあります。

  私も,したことがありますが,損害賠償額が,数十万ということもありました。

 

 

 2の場合は,そもそも売っている額や数量が大したことなかったら,その利益の数%となりますので,額もそれに応じて少額となっていきます。

 

 つまり,知財では,勝つには勝ったが,損害額が予想通りにいかず,

  かけた費用の割には,儲からない

ということは,正直言ってよくあります。

 

 よく売れていることが分かる場合は,自分で売りながら,

  相手に売らせて3年が過ぎる直前に,訴えるということも,あります。

 

 

 知財では絶対儲かるぞ!

とは,余り簡単にはいえないとはいえます。

 

 ネット上では,特に,今はまだ,そういうことが,よくあります。

 例えば,ブログに,

  勝手に私の文を載せている!

  自分の撮った写真を勝手に使っている!

といっても,ブログで,ものを売っていなければ勿論,利益は0ですので,

損害賠償は認められません。

 

勿論,著作物性が認められなければ駄目なことは言うまでもありません

(正直申し上げると,威勢はいいが,著作物性自体に黄信号ということも多いです)。

 

 

ものを売っていても,例えば,ブログの彩り的に使われているだけで,物の販売に直接関わるものでない場合は,寄与分というものがあります。

 

つまり,売れているという一要素に過ぎない,その売れている要素としての何%に寄与したに過ぎないということで,売っている利益の何%しか認められないということになります。

 

100万円の利益で,寄与分が3%なら,3万円です。

そして,寄与分は,ある意味,裁判所が,エイヤッ!と決めるところもありますので,

10%だといって10万円請求しても,裁判所が,1%だとすれば,1万円となります(10万円でも費用倒れですが・・・)。

 

ネット上の知財事件は,

 儲けよう!

ということには,余り期待が添えないということになります。

 

 

ただ,知財では,差止が他の類型に比較して,割と簡単に認められます。

この止めさせるというアクションを認めさせるために,損害は大したことなくても裁判に踏み切る場合もあります。

 

明らかな侵害なら,内容証明だけで止まることもよくあります。

 

このような差止の効果を狙うということも,

愛着のある著作権等には,場合としては,あります。

 

また,すぐに差止のアクションをするという強い態度をとることで,

 ここは危ない,直ぐ弁護士から内容証明がくるから かなわん

と思われることで真似されることを防ぐということも出てきます。

 

知財で儲けるには,もう少し法律が整備しなければならないというのが,現状です。

Last updated  2010.02.23 01:31:52


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H22.6.22現在のコメント

読み直してみますと,
誤解される記述となっていましたので、追加しておきます。

著作権の場合は,

サイトに著作物が単に載っている場合(これが上記の例)
今話題の様に,
著作物自体を,youtube等でダウンロードできる様にした場合とは意味が異なります。

無償配信は,ネットの拡散性オープン性から莫大な損害額となり得ます。

画像として載せるか,背景として載せたかでも異なり得ますので,
著作権については,改めて書きたいと思います。
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