2010年6月17日木曜日

贈与と貸付
[カタク書いてみる]



Last updated 2009.11.27 20:31:42
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贈与か貸付けかが話題になっている。



事件を離れて,法律の原則論から書かれたものが余りみないので,自分で書くことにした。



いつものとおり,論文ではないので,分かりやすさを優先して,厳密な法律用語でないこともあることは予め申し上げておく。



贈与は,無償で財物等を相手方に交付することである

貸付けは,法律用語でいえば,消費貸借契約といい,お金を返す約束があり,お金を貸すことである。



贈与も,消費貸借も,いずれも契約であり,両当事者の合意が必要である。



特に消費貸借契約は,借り主が知らないうちにお金を借りたということは,あり得ないということになる。

これに反して,贈与は,送られた方(受贈者という,送った方は贈与者という)が,送ったことを知らない場合もある。

この場合でも,受贈者が,貰ってもいいよ!という意思表示をした場合に,贈与契約が成立するということになる。法律上の建前では,利益が生ずる場合でも勝手に利益を与えることはできないと,説明される。



税務署への申告において,

貸し付けであれば,借り主に返済義務が生ずることになるから,金員の交付を受けても,贈与税はかからない。

しかし,税務実務上は,親族間の貸し借りを簡単には認めない。

そうでなければ,後で,あれは,

 借金だ!

とか言ったり,後で,消費貸借契約書を作成することで,贈与税の納付を免れることができるようになるからである。



某首相秘書は,調べに対して,

首相母親から貰った金員は,本人が借りたものだ

と述べたとされる。

これは,金員が渡ったことについては認めざるを得なかったので,次善の策として(真実かは今のところ分からない),

借入れといったものと思われる。

借入であれば,政治資金規正法違反としての虚偽記載(貸付けとして記載していなかったという虚偽)があったとしても,税法上では,税務署が認めるかは別として,贈与とはされないのである。

ただ,借入れというだけでは,税務署は通らないことは,先に述べた。しかも,例えば,10億円を年利1%で借りたとすれば,利子収入だけで,1000万円であるから,貸した方には,それだけの利子収入が申告されていなければならないことになる。



ともあれ,某首相は,私は知らない旨言った。

こうなると,借入れという線は消えるということになる。借金を,借り主の知らない内になされたとはならないからである。

捜査の進展の中で,重要な供述となることは,確かである。


Last updated 2009.11.27 20:31:42