2010年6月20日日曜日

告訴・告発・・・弁護士の大事な仕事の一つ
[ 弁護士の仕事 ]    


Last updated  2010.02.26 17:36:44
http://plaza.rakuten.co.jp/utuboiwa/diary/201002260000/

告訴とは,

 被害者等が,犯罪事実を申告し,犯人の訴追を求めるもの(刑事訴訟法230条)

告発とは,

 告訴が被害者ができるのに対して,何人でもできるもの(刑事訴訟法239条1項),

ちなみに,

被害届は,

 告訴や告発とは異なり,訴追の意思表示を含まないもの

とされています

(厳密な定義ではなく分かりやすく書いていることには御理解を)。

 

告訴・告発の違いは,基本は被害者(遺族)か否かということですが,

これの判断は法的知識が必要です。

例えば,

殺人罪(刑法199条)は,分かりやすく,被害者は殺されていますのでいませんので,遺族が告訴人になり得ます。

傷害罪(刑法204条)なら,被害者が告訴人になり得るのも分かりやすい。

 

これは,刑罰規定が守るべきものは何かということで決められ,

被害者が,国という場合は,厳密にいうと告訴ができない

ということになります。

ただ,その判断基準は,結構難しく,

例えば,政治資金規正法上の収支報告書虚偽記入罪は,理論的には,

国民であれば,誰もが被害者の立場として,告訴ができる扱いになっているようです。



告訴,告発は,

口答でも規定上はできることになっていますが(刑事訴訟法241条1項),

実務的には,

告訴状,告発状

という形で,正式に捜査機関に対して,書面で提出することになります。

 

告訴にしろ,告発にしろ,

ある特定の犯罪についてのものですから,

「事実」を拾い上げ,犯罪に該当し得る

告訴・告発事実を,

刑罰規定に沿うような

「法的評価」である具体的な刑罰規定

を明らかにする必要があります。

 

 

単に犯罪者だ!

というだけでは足りないということになります。



基本は,起訴状のような記載が必要となりますので,
法的知識が必要ということになります。

 


虚偽告訴・告発は,犯罪ですので(刑法172条),

それにあたらないように,注意するのは当然ですが,

下手に告訴・告発状を提出すれば,対象者から,虚偽告訴・告発罪で,逆に告訴されることもありますので,注意しなければなりません。

 

告訴・告発が,どのように利用されるかは色々な思惑があると思いますが,

民事上で明らかになった行為についての刑事化,

逆に,民事上の立証手段の取得のため,

純然たる被害者としての刑罰を求めるため

等色々ありますが,

 

告訴・告発は,犯罪の端緒として捜査が始められ,

その結果によっては,被疑者が起訴されたりします。

 

捜査の端緒を捜査機関に与える行動といえましょう。

 

 

告訴状・告発状には,本来,犯罪事実の申告をして,捜査の端緒を与えることですので,証拠が手元になくても,よいのですが,

実際は,証拠をつけることが必要になります。

告訴・告発事実を,具体的に基礎づける資料を添付することになります。

 

どのような証拠をつけるかについても,

告訴・告発事実とその評価たる刑罰規定

に関わることになりますので,

それも専門家の力を得てするのが合理的です。

 

その意味では,告訴状・告発状の提出は,

弁護士にとって重要な仕事の一つ

といえます。

 

ちなみに,

 

検察官が,不起訴処分を出した際,

告訴人,告発人は,検察審査会の申立

ができます。

これにより,事件は,検察審査会委員の下で,不起訴処分の妥当性が検討されることになります。

 

検察審査会への申立は,

 

検察審査会への申立(=告訴人・告発人)は,検察審査会から意見を聞かれることもあります。

また,検察審査会の申立書には,不起訴が不当とする理由を書くことになります。



この意見書・添付資料の作成も,基本的には弁護士事案として周到に準備する必要があるということになります。

 

告訴・告発状を出しても,従来は,検察官の処分には,直接影響させることはできませんでした。

告訴・告発は,捜査機関への犯罪捜査の端緒を与えるものですから,その結論まで直接左右するものではないからです。

そのため,従来は,弁護士の仕事として,

 検察審査会への申立は

軽視されていたと思います。



しかし,検察審査会の制度が変わり,

検察審査会の出した結論が,法律的に結構強い効力を持つことになりました。

 

そのため,今後は,

 告訴・告発

→不起訴処分の場合の

 検察審査会への申立

が,弁護士の仕事として重要な位置を占めるようになった

といってもよいと思います。

Last updated  2010.02.26 17:36:44

H22.6.20現在のコメント
不起訴処分になった場合,検察審査会への申立ては,
より意味があるものとなりました。

私がやったものではないですが,
知合いの交通事故事案で,
検察審査会で覆り,
検察官が略式にした事案がありました。