2012年11月28日水曜日

なぜモビルスーツにジオン・連邦の徽章をつけるのか…戦時国際法

なぜモビルスーツにジオン・連邦の徽章をつけるのか…戦時国際法
[ ガンダムから法律を考える ]
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H241128追記

ジュネーブ諸条約、特に捕虜に関する第三条約のリンクは、こちら
http://www.mod.go.jp/j/presiding/treaty/geneva/geneva3.html

ここで問題としているのは、



第四条〔捕虜〕
A この条約において捕虜とは、次の部類の一に属する者で敵の権力内に陥ったものをいう。
(1)  紛争当事国の軍隊の構成員及びその軍隊の一部をなす民兵隊又は義勇隊の構成員
(2)  紛争当事国に属するその他の民兵隊及び義勇隊の構成員(組織的抵抗運動団体の構成員を含む。)で、その領域が占領されているかどうかを問わず、その領域の内外で行動するもの。但し、それらの民兵隊又は義勇隊(組織的抵抗運動団体を含む。)は、次の条件を満たすものでなければならない。
(a)  部下について責任を負う一人の者が指揮していること。
(b)  遠方から認識することができる固着の特殊標章を有すること。
(c)  公然と武器を携行していること。
(d)  戦争の法規及び慣例に従って行動していること。
特に 、第4条A(2)(b)の問題ですね。

正確にいうと、「軍隊の構成員」であれば、上記の要件を充たす必要はありません。「民兵又は義勇隊」の要件となります。

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Last updated 2010.04.14 13:05:25
http://plaza.rakuten.co.jp/utuboiwa/diary/201004140001/改訂(H22.6.23改訂)


なぜMSにジオン・連邦の徽章をつけるのか・・・軍事法


なぜ,ガンダムに出てくるモビルスーツ(MS)には,それぞれ,徽章がついているのか?


なぜ,ガンダムに出てくる主要のキャラは,軍服を着ているのでしょうか。

アムロは,当初軍服ではなかったですが,ずっと軍服を着るようになります。


今日のポイント

MSの徽章は,ダテにつけていない!





軍事学は,日本では,防衛省ぐらいしか,体系的な教育がされていないと聞きます。

しかし,今でも完全に通用する重要な学問であることは勿論で,基本概念は理解が誰でもが必要と思います。



軍事学は,極めて専門的領域の一つです。

勿論,私も素人の部類ですが,

弁護士となって,より,軍事学に興味を持つことになったことは間違いがありません。



それは,勝ち負けが出る,あらゆる分野で応用が利くものです。

最近,孫子が流行しているようです。

しかし,孫子は,古典としては重要な意味を持ちますが,実際に役立たせるには,かなり格言的な意味しか有しません。
(それ故に,応用は効くということはいえます)



さて,なぜMSに徽章があり,軍人は制服を着るか?


これは,簡単にいえば,

軍人は,軍服を着るものと決められている

からです。


戦争は,軍人によってされなければなりません。

 

軍なんかなくせ,竹槍をもって応戦せよ

と今でもいう人がいますが,国際法違反をしろと言っているのと同じです。





ガンダムの世界では,どうだか分かりませんが,さかんに民間人と軍人との区別をいうので,今の世界と基本は変わらないのでしょう。



戦争は,何もルールがなければ,無制限・無慈悲となってしまいます。

国内法で幾ら制限しようとしても,敵国が無視すれば,オシマイの世界です。


一応の努力は戦前からあり,日本でも,

陸戰ノ法規慣例ニ關スル條約

がありました(厳密にいうと批准していない)。



また,戦後ですが,条約が多数の国によっても受け入れられました。

ジュネーヴ諸条約及び追加議定書
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/k_jindo/giteisho.html



どちらも,戦時国際法という形ですが,特に前者の方は,はっきりいって全く守られていません(念のために言いますが,決して日本だけの問題ではありません)。戦争で敵と対峙する場合に,守らない国と守る国とでは,守らない国の方が強いのが当たり前ということになりますが,

一応のルール(かなり大きな)

とはいえましょう。



陸戰ノ法規慣例ニ關スル條約に,正規軍以外に,民兵・義勇兵でも,捕虜と成り得る条件として,

「(2)遠方ヨリ認識シ得ヘキ固著ノ特殊徽章ヲ有スルコト」

という要件があります。



戦争は,厳密にいうと,交戦資格を有する戦闘員によって,なされなければなりません。

意図的に制服を着用しないで戦闘に参加する,
ゲリラ・便衣兵・テロリストは,
「非合法戦闘員」といいます。



ちなみに,国際的には,おまえらは,テロリストだ!,いや,俺らは,戦闘員だ!というやり取りがかなりありますが,このことを言っています。




MSに,大きくジオンの徽章がついているのは,ジオン公国正規軍を示すものといえ,戦時国際法的には,大変意味があることです。


それに比べると連邦軍のMSでは,地球連邦軍徽章は,ジオンほど目立ちません(ガンダムに,そもそもあったか覚えていません・・・)。戦時国際法的には,ジオンの方が忠実であったといえます。



ちなみに,ガンダムは,最初民間人であるアムロが,勝手に動かし戦闘に参加します。

これは,実は,極めて重大な犯罪行為です。

仮に,捕まったら,捕虜ともされず,通常の刑法犯罪者として処罰されることになります。



後に,アムロは,軍服を着るようになり,一応正式に軍人としての資格を得ることになりますが,この経緯も,ブライト(確かこの人も正式に軍人ではなかったと思う)らとの処遇とともに描かれています。

ここは子供の頃どうでもいいことが長いなあと思っていた部分ですが,意味があったんですね。妙に民間人から軍人への移行の描写が長かったという印象です。



未成年が戦闘に参加するのも,連邦軍の方が多く,ここでも戦時国際法により忠実なのは,ジオンとなります。

(ただし,非人道的戦闘行為をしているのは,どっちもどっちです。ジオンの方が酷いかという感じです)



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H22.6.23現在のコメント

現実を学ぶために,
アニメを題材に取る

という逆説的な発想で書きました。

本来は,本当の史実から取るのがいいのでしょう。
それも昔の方が関係者に苦痛を与えません。

アニメなら,軍事を考えても誰もが苦痛に思わないはずです。


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