2010年7月5日月曜日

公取委ガイドライン:事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針

公取委ガイドライン:事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針


公正取引委員会ガイドラインとして,

事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針
http://www.jftc.go.jp/dk/jigyoshadantai.html

があります。


・広い「事業者団体」性

「事業者団体」には,

「具体的には、○○工業会、○○協会、○○協議会、○○組合といった団体や○○連合会といったこれら団体の連合体が事業者団体に当たる。」

とされています。相当広く独禁法が適用される「事業者団体」に該当します。


構成員だからという理由で,
安易に,「事業者団体」の勧告等に従うと,

共犯(刑事罰もあり得ます)となったり,
課徴金が科せられたりする

法的リスクがあります。


・禁止行為(独禁法8条)(分かりにくそうなものだけ簡単に説明付記)

・・「一定の取引分野における競争を実質的に制限すること」(第一号)

・・「第六条に規定する国際的協定又は国際的契約をすること」(第二号)

「具体的には、国際的な価格協定や市場分割協定等を締結することが、本号に該当する。」とされています。

・・「一定の事業分野における現在又は将来の事業者の数を制限すること」(第三号)
 
・・「構成事業者の機能又は活動を不当に制限すること」(第四号)

・・「事業者に不公正な取引方法に該当する行為をさせるようにすること」(第五号)

「事業者団体が、事業者(構成事業者以外の事業者も含まれる。)に、取引拒絶、差別取扱い、排他条件付取引、拘束条件付取引、競争者に対する取引妨害等の不公正な取引方法に該当する行為をさせるように強制し、又は働きかけることが、本号に該当する。」


これらの違反行為には,「事業者団体」に対して排除措置,課徴金,刑罰の可能性があります。


具体的には,ガイドラインをみてもらうことにして,
要旨だけ,まとめておきます。


・ガイドライン要旨

・・下記「1 価格制限行為」から「5 参入制限行為等」までで具体的に挙げられるような制限行為により市場における競争を実質的に制限する(注)ことは法第八条第一号の規定に違反する。また、市場における競争を実質的に制限するまでには至らない場合であっても、これらの制限行為は原則として法第八条第三号、第四号又は第五号の規定に違反する。
 事業者団体によるこのような制限行為が原則として違反とされるのは、その行為の具体的な形態や手段・方法のいかんを問わない。また、…行為の理由のいかんを問わない…、妥当な価格水準にするためとか、商品又は役務の質を確保するためとか、受注の均等化を図るためといった理由によって正当化されるものではない。(「1 価格制限行為」~「5 参入制限行為等」参照)
(注)「競争を実質的に制限するとは、競争自体が減少して、特定の事業者又は事業者集団がその意思で、ある程度自由に、価格、品質、数量、その他各般の条件を左右することによつて、市場を支配することができる状態をもたらすことをいう」(東京高等裁判所昭和二八年一二月七日判決)。


・・事業者団体が、事業者に不公正な取引方法に該当する行為をさせるようにすることは、法第八条第五号の規定に違反する。(「6 不公正な取引方法」参照)


・・事業者団体が、商品又は役務の種類、品質、規格等や営業の種類、内容、方法等について制限することは、…法第八条第三号、第四号又は第五号の規定に違反するかどうかが問題となる。また、…法第八条第一号の規定に違反する場合もあり得る。
自主規制等については、独占禁止法上の問題を特段生じないものも多い。しかしながら、自主規制等の活動の内容、態様等によっては、多様な商品又は役務や営業方法の提供等に係る競争を阻害又は制限することとなる場合もある。(「7 種類、品質、規格等に関する行為」及び「8 営業の種類、内容、方法等に関する行為」参照)


・・事業者団体の「情報活動、経営指導や共同事業の中には、独占禁止法上の問題を特段生じないものも多い。」
しかしながら、情報活動については、…構成事業者との間で情報を収集・提供し、又は構成事業者間の情報交換を促進する場合には、その内容等によって、…独占禁止法上問題となり得る。(「9 情報活動」参照) 
 経営指導についても、…価格等重要な競争手段の具体的な内容について目安に与えるような指導を行うことは、独占禁止法上問題となり得る。(「10 経営指導」参照)
 また、共同事業については、…特に共同販売のように価格等重要な競争手段が共同事業の中で決定されるような事業は、参加事業者の市場シェア等によっては競争制限行為に当たり独占禁止法上問題となり得る。(「11 共同事業」参照)



・・公的規制分野の中で行われるべき競争について、あるいは、規制が緩和された結果回復されるべき競争について、事業者団体が制限することは、…競争制限行為に当たるものであり、是認されない。
「また、行政との関係で、例えば公的事業の実施のための業務等が委託され、あるいは行政指導を受けたことを背景に、事業者団体による競争制限行為が行われるようなことがないよう留意を要する。(「12 公的規制、行政等に関連する行為」参照)」


・・「なお、事業者団体についても、事業者としての性格を併せ持つときに、自ら主体となって事業を行うに際して、他の事業者と共同して不当な取引制限に当たる行為を行い、あるいは不公正な取引方法を用いるような場合には、それぞれ、法第三条あるいは第一九条の規定に違反することとなる。(「6 不公正な取引方法」等参照)」
 「また、事業者団体の場において、情報交換活動等を通じて、事業者が不当な取引制限をする場合には、それら事業者の行為が法第三条の規定に違反することとなる。(「9 情報活動」参照)」


・・事業者団体が、競争制限等に関する意思形成に際して、事業者団体としての「決定」を行うが、この「決定」は、事業者団体の正規の意思決定機関の議事を経た明示の決定のようなものに限られず、事業者団体の意思形成と認められるものであれば、慣行等に基づく事実上の決定も含まれる。



・構成員としての巻き込みリスク

事業者団体の決定に基づき
独禁法上の違反行為が行われた場合,

問題となるのは,構成員としての法的リスクです。

構成員として事業者団体の勧告等に従った

というのは,配慮はあったとしても,それ自体で,
課徴金,刑罰
もあり得ます。


一見公益的団体であっても,
構成員として独自の法的判断をする必要があります。


……………………………………………………
ランキングに参加しました。本文の邪魔にならないテキストリンクにしました。
弁護士ランキング// 弁理士ランキング//法務・知財ランキング

ーーーーーーーー