2010年7月9日金曜日

削って!削って!その経過

公取委ガイドライン:知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針1(私的独占及び不当な取引制限の観点から)(4979字)

約5000字を3032字,約3000字
まで削ってみました。

大分,内容的には分かりやすくなりました(と思う)。

ただ,一文が長くなっていますので,例などを箇条書き的にするといいでしょうか。そうすると,若干長くなります。


まだ削れますねえ。
最終段階で,正式に縮小版としてUPしましょう。

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・私的独占及び不当な取引制限の観点からの考え方
・・技術の利用に係る制限行為については、独占禁止法(以下「法」という)第3条(私的独占又は不当な取引制限)又は第19条(不公正な取引方法)の適用が問題になる。また、事業者団体の場合には、法第8条に反する。

 法2条5項の「一定の取引分野における競争を実質的に制限すること」は、「市場における競争自体が減少して、特定の事業者又は事業者集団が、その意思で、ある程度自由に、価格、品質、数量、その他各般の条件を左右することによって、市場を支配することができる形態が現れているか、又は少なくとも現れようとする程度に至っている状態」をいう(東宝・スバル事件判決(昭和26年9月19日東京高等裁判所)及び東宝・新東宝事件判決(昭和28年12月7日東京高等裁判所)参照)。言い換えれば「市場支配的状態を形成・維持・強化すること」である(平成19年3月26日審決(平成16年(判)第2号))。「一定の取引分野」は、「技術市場又は製品市場における取引の対象、相手方、取引される地域、取引の態様等を踏まえ、当該行為の影響の及ぶ範囲」に即して画定するべきである。


・私的独占の観点からの検討
・・技術の利用に係る制限行為が、「他の事業者の事業活動を排除し、又は支配する」(独占禁止法第2条第5項)場合には、私的独占の規定の適用が問題となる。

 具体例を挙げると次のとおりとなる。


(1)技術を利用させないようにする行為

・他の事業者に対しライセンスしない(拒絶と同視できる高額のライセンス料要求も含む)行為、

・非ライセンス者に対する訴訟提起は,

権利行使であり,通常は問題とならない。



しかし,知的財産制度の趣旨を逸脱し、又は同制度の目的に反すると認められる場合には、私的独占に該当し得る。例えば,

・パテントプール形成者が、新規参入者や特定の既存事業者に対するライセンスを合理的理由なく拒絶すること

は,排除行為に該当する場合がある(第三者にはライセンスをしないこと等の方法により新規参入を抑制していたことが法3条違反とされた例(平成9年8月6日審決(平成9年(勧)第5号))。

 また,

・権利を権利者から取得した上で、他の事業者に対してライセンス拒絶により技術を使わせないようにする行為(横取り行為)や,

・事業者が、競争者(潜在競争者を含む。)が利用する可能性のある技術に関する権利を網羅的に集積し、自身では利用せず、競争者にライセンスを拒絶することで当該技術を使わせないようにする行為(買い集め行為)は、

他の事業者の事業活動を排除する行為に該当する場合がある。


更に,

・ライセンス条件を偽るなど、不当な手段を用いて当該技術を規格に採用させ、規格が確立されて他の事業者が当該技術についてライセンスを受けざるを得ない状況になった後でライセンスを拒絶し、当該規格の製品の開発や製造を困難とする行為,

・公共機関を誤認させ、当該技術によってのみ実現できる仕様を定めさせ、当該技術のライセンスを受けなければ仕様に合った製品を製造できない状況の下で、他の事業者へのライセンスを拒絶し、入札への参加ができないようにする行為

についても同様である。



(2)技術の利用範囲を制限する行為

技術を利用する範囲を限定してライセンスをする行為は、権利行使であり、通常は問題とならない。しかしながら、

・技術を利用できる範囲を指示し守らせる行為

は、私的独占に該当することもある。


(3)技術の利用に条件を付す行為
ある技術に権利を有する者が、当該技術を他の事業者にライセンスをする際に条件を付す行為は、その内容によっては私的独占に該当する。例えば,

・マルティプルライセンスを行い当該技術を用いて供給する製品の販売価格、販売数量、販売先等を指示して守らせる行為は、

事業者の事業活動を支配する行為に当たり得る(平成6年2月17日警告)。

「必須技術」について,

・代替技術を開発することを禁止する行為

は、原則として、ライセンシーの事業活動を支配する行為に当たる。

また,

・代替技術を採用することを禁止する行為

は、原則として、他の事業者の事業活動を排除する行為に当たる。明示的禁止に留まらず,著しく有利な条件を設定等も同様である。更に,

・合理的理由なく、当該技術以外の技術についてもライセンスを受けるように義務を課す行為、又は

・ライセンサーの指定する製品を購入するように義務を課す行為

は、ライセンシーの事業活動を支配する行為又は他の事業者の事業活動を排除する行為に当たり得る。



・不当な取引制限の観点からの検討

技術の利用に係る制限行為が、「事業者が他の事業者と共同して、相互にその事業活動を拘束し又は遂行する」(法2条6項)ものである場合は、不当な取引制限の規定の適用が問題となる(特に、パテントプールやクロスライセンス、マルティプルライセンス)。


・・パテントプール

パテントプールとは、「ある技術に権利を有する複数の者が、それぞれが有する権利又は当該権利についてライセンスをする権利を一定の企業体や組織体(その組織の形態には様々なものがある。)に集中し、当該企業体や組織体を通じてパテントプールの構成員等が必要なライセンスを受けるもの」をいう。それ自体が直ちに不当な取引制限に該当するものではない。

しかしながら、

・一定の技術市場において代替関係技術の権利者同士が、パテントプールを通じてライセンスをすることとし、その際のライセンス条件(技術の利用範囲を含む)について共同で取り決める行為、

・プールしている技術の改良を相互に制限する行為,

・ライセンスをする相手先を相互に制限する行為,

・当該技術を用いて供給する製品の対価、数量、供給先等についても共同して取り決める行為,

・他の事業者に対するライセンスは当該プールを通じてのみ行うこととする場合において、新規参入者や特定の既存事業者に対するライセンスを合理的理由なく拒絶する行為

は、不当な取引制限に該当し得る。


・マルティプルライセンス

・マルティプルライセンスとは、「ある技術を複数の事業者にライセンスをすること」をいう。マルティプルライセンスにおいて、

・ライセンサー及び複数のライセンシーが共通の制限を受けるとの認識の下に、当該技術の利用の範囲、当該技術を用いて製造する製品の販売価格、販売数量、販売先等を制限する行為,また、

・同様の認識の下に、「改良技術」についてライセンスをする相手方、代替技術の採用等を制限する行為も、

技術の取引分野における競争を実質的に制限する場合には、不当な取引制限に該当する(法第3条違反とされた平成5年9月10日審決(平成3年(判)第2号))。



・クロスライセンス

・クロスライセンスとは、「技術に権利を有する複数の者が、それぞれの権利を、相互にライセンスをすること」をいう。クロスライセンスは、パテントプールやマルティプルライセンスに比べて、関与する事業者が少数であることが多いが,少数であっても、

・それらの事業者が一定の製品市場において占める合算シェアが高い場合に、当該製品の対価、数量、供給先等について共同で取り決める行為,

・他の事業者へのライセンスを行わないことを共同で取り決める行為,技術の利用範囲としてそれぞれが当該技術を用いて行う事業活動の範囲を共同して取り決める行為は、


当該製品の取引分野における競争を実質的に制限する場合には、不当な取引制限に該当する。


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