2010年7月14日水曜日

特許:容易想到性(進歩性判断基準)「事実認定手法」

特許:容易想到性(進歩性判断基準)「事実認定手法」

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知的財産高等裁判所平成22年6月29日判決(平成21(行ケ)10324審決取消請求事件)


ア 組合せの示唆

「しかし,甲2,甲11ないし甲14は,ポッティング後に放熱板を取り外すことや故障した部品を交換することについては,何ら記載されておらず,後記のとおり,甲18,19を考慮したとしても,ポッティング材に埋設されたプリント基板の部品を交換する技術が周知であるとはいえない。したがって,甲1,甲2,甲11ないし甲14には,部品交換を目的とした放熱器の着脱を行う甲1発明に甲2発明を適用することについての示唆はない。」

イ 阻害要因

「プリント基板に取付けられた部品を交換することも,ポッティングを施さない場合に比べて困難である。したがって,ポッティングを施すことは,甲1発明の
作用効果の前提とは相容れない。」

「仮に,甲1発明に甲2発明を適用するならば,…プリント基板の下
側より穴にネジ回しを差し込んでネジを回すことにより放熱器の着脱を
するのであれば,ケースを破壊するなどし,ポッティング材を除去する
ことが必要不可欠となる。」

「しかし,そのような方法では,プリント基板の下側より穴にネジ回し
を差し込んでネジを回すことにより放熱器の着脱をすることができるよ
うに放熱器を取り付けたことにならず,放熱器の着脱容易な取付けとい
う甲1発明の課題,作用効果は達成されないこととなる。放熱器の着脱
容易な取付けという甲1発明の課題,作用効果を達成するのであれば,
単にプリント基板の下側より穴にネジ回しを差し込んでネジを回すこと
により放熱器の着脱をすることができるように放熱器を取り付けなけれ
ばならないから,そのような甲1発明の課題,作用効果は,甲1発明に
甲2発明を適用し,甲1発明のプリント基板をケース内に収納してケー
ス内にポッティング材を充填することの阻害要因になるものと認められ
る。」

「(イ) また,甲1の記載によれば,甲1発明において解決すべき,従来
例の放熱器の取付構造の欠点として,部品交換後に「プリント基板の半
田付け部分が変色したり,焼け焦げの跡が残り,外観を損なう」ことが
挙げられているから,甲1発明におけるプリント基板は,変色した外観
を観察し得る状態で使用することを前提としており,焼け焦げの跡等を
ポッティング材で覆うことを想定しておらず,基板の完成後あるいは修
理後にポッティングを施すことを考慮しないものであるといえる。
そうすると,甲1発明は,そのように外観を観察し得る状態での使用
を前提としており,それは,甲1発明にポッティング材を適用しようと
することの阻害要因になるといえる。」

ウ 構成の相違

「上記の技術的意義にかんがみれば,本件発明1は,効果的な放熱ができ 分解時に放熱板の分離を容易に行うことができる程度に放熱板の一部をポッティング材中に埋設状態にしたものであるといえる。
他方,甲2発明は,可変抵抗器が内設された略筒状のチューブを設けてケ
ース内にコンパウンドを充填するもので,放熱板の半分以上がコンパウン
ドに埋設されているから,分解時に放熱板の分離を容易に行うことができ
る程度に放熱板の一部をポッティング材中に埋設したということはできな
い。」
「そうすると,仮に,甲1発明に甲2発明を適用したとしても,分解時に放熱板の分離を容易に行うことができる程度に,放熱板の一部をポッティング材中に埋設状態にすることは想到し得ないから,当業者が本件発明1の構成を容易に想到することができたとはいえない。」

エ 容易想到性の有無

「したがって,甲1発明に甲2発明を適用して相違点2に係る本件発明1の構成を容易に想到することはできなかったというべきであり,同旨の審決の判断に誤りはない。」



縮小版
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「容易想到性の有無」を判断する際には,「組合せの示唆」,「阻害要因」,「構成の相違」を各検討すべきである(知的財産高等裁判所平成22年6月29日判決(平成21(行ケ)10324審決取消請求事件))。

「組合せの示唆」
「阻害要因」
「構成の相違」


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H22.7.14現在のコメント
項目が重要な判例です。

縮小版にも引用を付けました。

目的は,このままコピペです。

縮小版を
コピペで項目も作っておきます。



ついで(?)ですから,公開のものは全部やります。

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