2010年7月14日水曜日

商標:商標法4条1項11号類比判断基準(結合商標の場合の分離判断可否,含む)「解釈基準」

商標:商標法4条1項11号類比判断基準(結合商標の場合の分離判断可否,含む)「解釈基準」

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知財高裁平成22年6月28日判決(平成21年(行ケ)第10409号審決取消請求事件(商標))



判断基準
「商標法4条1項11号に係る商標の類否は,対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが,それには,そのような商品に使用された商標がその外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべく,しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり,その具体的な取引状況に基づいて判断すべきものである(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。
一方,複数の構成部分を組み合わせた結合商標については,商標の各構成部分がそれぞれ分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分に結合しているものと認められる場合は,その一部だけを抽出しこれを他人の商標と比較して商標の類否を判断することは,原則として許されない。
しかし,複数の構成部分の結合度が弱くそれを分離して観察することが取引上不自然でないと認められる場合等にあっては,商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されると解される(最高裁昭和38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁,最高裁平成20年9月8日判決・裁判集民事228号563頁・判例時報2021号92頁等参照)。」(知財高裁平成22年6月28日判決(平成21年(行ケ)第10409号審決取消請求事件(商標)))

「小括
上記のとおり,本願商標の「watching」の文字部分と引用商標の「WATCHING」の文字は,小文字・大文字の差異があるとしても綴りを同一とするものであって,本願商標と引用商標は,外観において近似した印象を与えるものであり,「観察,監視」の観念及び「ウォッチング」の称呼を共通にする類似の商標であると認めることができる。また,本願商標と引用商標の各指定商品は,本件補正前及び本件補正後のいずれであっても,類似のものである。そして,本願商標が遅くとも審決時までに事業者に限らず一般消費者を含む本願商標の指定商品の取引者,需要者間に出所識別標識として広く知られるに至ったと認めることもできない。したがって,本願商標と引用商標は,商標及び指定商品において類似し,両商標をその指定商品について使用したときは,これに接する取引者,需要者をして商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがあるから,商標法4条1項11号により本願商標と引用商標は類似しているとした審決の判断に誤りはないというべきである。」

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縮小版

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判断基準
「商標法4条1項11号に係る商標の類否は,対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが,それには,そのような商品に使用された商標がその外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべく,しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり,その具体的な取引状況に基づいて判断すべきものである(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。
一方,複数の構成部分を組み合わせた結合商標については,商標の各構成部分がそれぞれ分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分に結合しているものと認められる場合は,その一部だけを抽出しこれを他人の商標と比較して商標の類否を判断することは,原則として許されない。
しかし,複数の構成部分の結合度が弱くそれを分離して観察することが取引上不自然でないと認められる場合等にあっては,商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されると解される(最高裁昭和38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁,最高裁平成20年9月8日判決・裁判集民事228号563頁・判例時報2021号92頁等参照)。」(知財高裁平成22年6月28日判決(平成21年(行ケ)第10409号審決取消請求事件(商標)))


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H22.7.14現在のコメント

結合商標で分離判断の可否を含んだ,類比判断基準です。

これも新しい基準ではなく,実務上は固まっている基準です。


このような結論・認定になる可能性が高い
という判断材料
の意味を持ちます(こちらの方が重要)。


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