2010年7月14日水曜日

意匠: 意匠の観察方法について(願書等外を考慮する意匠認定の可否)「解釈」

意匠: 意匠の観察方法について(願書等外を考慮する意匠認定の可否)「解釈」


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知的財産高等裁判所平成22年7月7日判決(平成22(行ケ)10079審決取消請求事件)

意匠の観察方法について

「しかしながら,意匠登録を受けようとする者は,願書に意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面を添付しなければならず(意匠法6条1項),通商産業省令で定める場合はこれに代えて意匠登録を受けようとする意匠を現した写真ひな形又は見本を提出することができ(同条2項),意匠に係る物品の形状等がその物品の有する機能に基づいて変化する場合において,その変化の前後にわたるその物品の形状等について意匠登録を受けようとするときは,その旨及びその物品の当該機能の説明を願書に記載しなければならないとされている(同条4項)。そして,いわゆる基本六面図のほか,斜視図その他の必要な図面を加え,意匠の理解を助けるため必要があるときは,使用の状態を示した図その他の参考図を加え(意匠法施行規則3条,様式第6備考8,14),開くものの意匠であって開き等の意匠の変化の前後の状態の図面を描かなければその意匠を十分表現することができないものについては,意匠の変化の前後の状態が分かるような図面を作成すべきものとされている(同様式第6備考20)。」

「したがって,出願人たる原告において,不使用時状態,使用直前状態及び装着状態とで,意匠に係る物品の形状が変化するというのであれば,本来,適宜の必要な図面を加え又は意匠の変化の前後の状態が分かるような図面を作成すべきものであるところ,原告は,願書に,折り畳むとフラットな状態になることは記載しているものの,装着状態が別紙第1記載の図面とは異なるものであることを記載していないし,装着状態の説明もなく,別紙第1記載の図面以外の図面等を提出していない(甲1)。そして,登録意匠の範囲は,願書の記載及び願書に添付した図面に記載され又は願書に添付した写真,ひな形若しくは見本により現された意匠に基づいて定めなければならないとされていること(意匠法24条1項)に照らしても,願書に添付した図面に記載され又は願書に添付した写真,ひな形若しくは見本により現された事項及びここから認識できる事項以外の事項を考慮して本願意匠を認定し得るとすることは,相当でない。」(知的財産高等裁判所平成22年7月7日判決(平成22(行ケ)10079審決取消請求事件))

「また,意匠は物品の形状等であるところ(意匠法2条1項),呼吸マスクの装着状態は,これを装着する者の顔面の大きさや輪郭線,装着の仕方等によって変形し得るものであり,特に本願意匠のような,呼吸マスクの外縁部分の一部である帯状の部分のみを対象とする部分意匠においては,その図面によることなくその態様を認定することが困難である。そして,原告において,別紙第1の図面に記載された形態が,呼吸マスクの使用直前状態を現すものと主張するところ,その状態は,呼吸マスクという本願意匠に係る物品自体の形態として通常観察される状態であり,上記図面に記載され,又はこれにより現された意匠に基づいて,本願意匠を認定することに,誤りはない。」



縮小版
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「願書に添付した図面に記載され又は願書に添付した写真,ひな形若しくは見本により現された事項及びここから認識できる事項以外の事項を考慮して本願意匠を認定し得るとすることは,相当でない。」(知的財産高等裁判所平成22年7月7日判決(平成22(行ケ)10079審決取消請求事件))


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H22.7.14現在のコメント

縮小版
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この縮小版が,この部分の肝です。
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類比判断の前提として,比較対象となる
意匠の確定は,重要です。
その判断基準を示したものです。


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