2010年8月18日水曜日

永久機関(的発明)と知財高裁

知財高裁判例を再度検討していますが,

法的に(あくまで,この観点です)取り上げる価値が余りなく,
面白そうなものを,本ブログで書いていきます。

今回は,

知財高裁平成22年3月29日判決(平成21年(行ケ)第10042号審決取消請求事件)

です。




拒絶査定,不服審判,請求不成立の経緯を経た審決に対する裁判例です。



ア取消事由1(特許法36条4項1号適用上の違法)の有無
(ア) 本願発明の目的は,前記のとおり,一定の構成を有する熱サイクル装
置をもって外部から入力される熱をすべて又はこれに準じる程度の高効
率で仕事に変換しようというものである。

ところで,熱をすべて動力に変換することは不可能であり(これを実
現する機関はいわゆる第2種の永久機関である),技術常識である(い
わゆる熱力学の第2法則)。なお,原告が,本願発明はカルノーサイク
ルの変換効率を満足した上でこれを実現するものである旨主張するの
も,この技術常識を論理的前提とするものである。

したがって,このような技術常識に照らせば,一般的な熱サイクル装
置をもってしては,当業者(その発明の属する技術の分野における通常
の知識を有する者)において熱をすべて動力に変換することが不可能で
あることは明らかである。

(イ) そこで,本願発明における熱サイクル装置がいかなる特殊な方法によ
り熱をすべて又はこれに準じる程度の高効率で動力に変換することを可
能としているのか,本願明細書の記載を基に検討する。」




「いかなる特殊な方法」が,当業者に分かる程度に書いてあるか
という判断です。



永久機関は,無理でも,
それに準ずるのならば,できるのではないか?
という夢への挑戦ともいえましょうか。


その夢を,
分かるように書いてくれれば…。



ポイントは,永久機関ではなく,
永久機関(的)発明
ということでしょうか。

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