2010年8月2日月曜日

大阪での乳幼児虐待死事件で思うこと

大阪での乳幼児虐待死事件で思うこと


やはり無視はできませんでした。
また極めて痛ましい事件が起こりました。
はっきりいって吐き気さえ覚えます。


一番悪いのは,母親本人であることには間違いはありません。


しかし,なぜこのように多数の人が関わりながらというところは,どうしてもあります。


法律上の不備があることは認めざるを得ません。

根本的には,乳幼児,広く子供の保護のために
強制的権限を有する職責にある者に,
強制的権限を付する必要がありましょう。

警察が最も適切ですが,
その一歩であった改正法は当時の野党の反対により,
見送られました。

ただ,警察は犯罪の疑いがなければ捜査ができません。
そして,捜査を始めたら間違っていたでは済まないようになっています。

警察がダメなら,そして,
人権擁護法案のようなアホなものを作る暇と余裕があるなら,
護民官ならぬ護子官を作るべきでしょう。



立法論は別として,
住民が子供の叫び声・泣き声を管理会社に通報していた
とのことでした。




管理会社は,管理組合には報告していたのでしょうか。
報道によると,張り紙はしていたというのですから,
形式的な理事会への報告はあったといえるでしょうか。


事は,緊急理事会ものです。

理事長の一決断でも,立ち入り等は可能だったはずです。


管理会社の職責に,管理組合との契約上の義務を負うことはもちろん,マンション管理のプロとして果たすべき善管注意義務があります。組合との契約が委任契約である以上当然です。
また,管理組合理事会理事会役員も,総会で選任された以上,管理組合に対して善管注意義務を負うものと解されます。

特に,
管理会社は事の重大性を感知した場合は,素人集団となる場合が多い理事会を主導する義務も含まれると考えます。

そうでなければ高い管理料を払う意味はありません。



少し日常に近づけていうと,
例えば,マンション内で,窃盗の疑いがあったとき,
その事実確認が必要となると解されます。


例えば,
マンション内の監視カメラを確認し,
仮に,マンション内に犯罪行為があれば,
それに対処する義務が,管理会社及び理事会に生じます。
証拠確保のため,ビデオテープの保存ないしバックアップ等を
すべきことになります。


このような場合,個人情報保護法は関係がありません。

個人情報取扱業者に管理会社が該当したとしても,

「一 法令に基づく場合
 二 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
三 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすお
それがあるとき。」

には,本人の同意を得ずに,
利用(個人情報保護法16条3項),第三者提供(同法23条1項)等が許されます。


管理会社に怠りがあれば,
管理組合は管理会社に損害賠償が可能です。


管理組合理事長は,住民の中から選ばれるとはいえ,戦時の決断(参考内部リンク:平時の決断力と戦時の決断力)が必要な場合があります。

つまり,ある決断を選択した場合,
どちらかに恨まれる事態が想定されたり,

ある決断を選択したとき,特に何もなかった場合にその責任を追及される恐れがあっても,敢えて放置することなく決断を果敢に実行しなければならないときがあります。


多少の人権侵害があったが,
何もなかったのだからいいじゃないか!
と言い切れる人が誰もいなかった。

戦時の決断を果敢に実施するものが,誰もいなかった。

そこに根本的な原因の一つがあると思いました。


はっきりいって,
管理会社に任せきりというマンションでは,
このような事態は,どこでも起きます。少なくとも起きる可能性があります。

緊急事態が生じたとき,管理会社の役割をはっきりさせておくこともマンション管理では重要と思いました。
……………………………………………………