2010年8月10日火曜日

最高裁判例:人身保護請求

最二小平成22年8月4日決定(平成22年(ク)376号人身保護請求棄却決定に対する特別抗告事件)
最二小平成22年8月4日決定(平成22年(許)7号人身保護請求棄却決定に対する許可抗告事件)

が出ています。

知財には,ほとんど関係ありませんので,
ここで書きます。


最二小平成22年8月4日決定(平成22年(許)7号人身保護請求棄却決定に対する許可抗告事件)
の方は,

人身保護法による釈放の請求を却下又は棄却した高等裁判所の決定
は,許可抗告の対象とはならないというべきである(民訴法337条1項ただし
書)。

とした判断です。


実質的に中身があるのは,


最二小平成22年8月4日決定(平成22年(ク)376号人身保護請求棄却決定に対する特別抗告事件)
です。



「民事事件について特別抗告をすることが許されるのは,民訴法336条1項所定
の場合に限られるところ,本件抗告理由は,違憲をいうが,その実質は原決定の単
なる法令違反を主張するものであって,同項に規定する事由に該当しない。

なお,人身保護法11条1項にいう「請求の理由のないことが明白なとき」と
は,人身保護規則21条1項1号から5号までに規定する場合のほか,これらに準
ずる程度に請求に理由のないことが明白な場合(同項6号)に限られる。本件は,
子の父親である抗告人が子を拘束している母親及びその両親である相手方らに対し
て人身保護法に基づき子の引渡し等を求める事案であるところ,抗告人は,アメリ
カ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキー郡巡回裁判所の確定判決により子の単独
監護権者に指定され,原決定によれば,上記確定判決は民訴法118条各号所定の
外国判決の承認の要件を満たしているというのであって,その他の当事者の主張内
容等に照らしても,被拘束者を請求者の監護の下に置くことが拘束者の監護の下に
置くことに比べて子の幸福の観点から著しく不当なものであることが一見して明ら
かであるとすることはできない(最高裁平成6年(オ)第1437号同年11月8
日第三小法廷判決・民集48巻7号1337頁参照)。そうであれば,原審は,本
件請求につき,決定によりこれを棄却するのではなく,審問手続を経た上で,判決
により,その判断を示すべきであったといわざるを得ない。しかし,原決定にこの
ような問題がある場合であっても,上級審においてこれを是正するのではなく,改
めて請求がされたときにこれを審理する裁判所において審問手続を経た判断が行わ
れることが,法の予定するところである。」


人身保護法では,11条1項の
「請求の理由のないことが明白なとき」
には,審問手続を経ずに決定をもって請求を棄却することができる
とあります。


そして,

最高裁は,

本件では,

民訴法118条

外国裁判所の確定判決は、次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限り、その効力を有する。
一  法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。
二  敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達(公示送達その他これに類する送達を除く。)を受けたこと又はこれを受けなかったが応訴したこと。
三  判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと。
四  相互の保証があること。

の要件を充たしているとの判断をしています。

また,それは,

「請求の理由のないことが明白なとき」
ではない
といっています。

だから,審問手続を経た判決をしろ!

ということになります。


また,上級審で判断させるのではなく,
もう一回,やれ!
といっています。

人身保護法は,かなり古い法律です。
不備があるのを実質的に認めながら,
最高裁なりの救済方法を示したといえるでしょうか。


回りくどいですが,
全体として,問題になりそうな法解釈を示した

ということがいえます。

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H22.8.10現在のコメント

取り急ぎで書きました。

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