2010年9月25日土曜日

刑事のススメ:知財事件もスキルアップ!(?)

私ぐらいの期(52期)になると,

刑事は一切やらない

という弁護士も多いです。


知財事件と刑事の組み合わせは,かなり珍しいとおもいますが,

意外と共通点も多いとおもえてくる,このごろです。

また,相互に役に立つことも多いとおもいます。



・尋問

知財事件は,
本当に尋問がありません。

侵害訴訟でも,一般の法律(たとえば,商法512条の主張)もあわせて請求されている場合には,
尋問があることもあります。

ですが,

発明者の認定等でも,陳述書で足りる
とされてしまう場合も多いといえます。

一般民事では尋問はありますが,
1年後とか2年後ですから,
場数を踏むには,時間がかかります。



反面,

刑事では,尋問は必ずあります。
しかも,刑事の場合は,身柄拘束がありますので,より進行はスピーディーです。

控訴審でも,もう一度できるというのは(原判決後の情状を立証する),
民事でも,あまりありません。

場数をふむという意味では,刑事はとても役に立ちます。




・ドロドロ度合い

知財は,割とスマートな部類と考えられていますが,
実は,そうでもありません。

人間関係のドロドロさ,怪しさというのは,
知財事件でもあります。


民事事件に比べて,
刑事は,さらにドロドロさが増します。

周りの人の怪しさも,多いといえます。


包丁を差し入れたとか,
記録を悪用されたとか,
証拠隠滅や捏造に加担してしまったとか,
(事例としてです,私は全部ないです…)



詐欺事件の調書に,

いざとなったら少し払って,破産すれば,ええ。
知っている弁護士がいるわ。

という記載をみつけるとか
(これは,本当にあった)


刑事はやるだけで,場数をふめます。

弁護士は,いい意味で,ドロドロ度合いに慣れる必要があります。



・依頼者とのコミュニケーション
依頼者とのコミュニケーションの難しさは,
いろいろなところでいわれます。


私も,最近,出所してから,いってやる!
と手紙をもらったことがあります。


接見して,
最後には,感謝されました
(心底からではないかもしれないが)。



刑事の場合は,
身柄拘束されていますので,
普段と異なり,
気が立ちます(当たり前ですね)。

自分の言い分をまるで聴いてくれない
捜査官や係官ばかりですから,
弁護人に,矛先は向きがちです。


最近は(昔から?),あまり慌てず,
対処できるようになったのではないかとおもいます。



これも場数でしょうか。



「こんな状況だったら,絶対殴りますよねえ!」

「いや,殴らんで」

とか,結構本音のコミュニケーション(?)を体験できます。


あまり体験できないことばかりです。




一般民事をやるにしろ,知財をやるにしろ,
刑事を一生懸命やると,
民事も,役に立ちます。
と思います。
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