2010年10月19日火曜日

柔軟な最高裁…実感

判例,特に最高裁判例は,

判例という形で,法律を作る

ともいえます。


知財高裁の考え方と,最高裁の考え方の違いが出て
興味深かったのが,無料メルマガでも書いた

リサイクルインク事件です。


知財高裁の規範でいくと,

結構,侵害といいやすくなります。
特に第2類型の
【当該特許製品につき第三者により特許製品中の特許発明の本質的部分を構成する部材の全部又は一部につき加工又は交換がされた場合】
のように,
本質的部分を構成する「一部」
まで広げると,解釈によっては,何でも一部となります。


最高裁は,結局,この第1類型・第2類型規範を採用しませんでした。


最高裁の規範は,この件でもそうですが,
どっちの結論にもいけるという規範が多いといえます。

どちらかは,事実認定や,事実の積み重ねで考える
という方向が強いとおもいます。


この最高裁の態度は,

柔軟とはいえます。

しかし,

やってみないと分からない
という規範ですので,
同じ最高裁を前提にしても,
また同じような争いが起きる可能性があります。


柔軟というのは,
具体的事件において妥当とおもわれる結論を
規範に縛られながら選択できる
ということです。

しかし,予測可能性の観点からは,
具体的事件の結論が妥当でなかろうが,
決まっていたほうがいいばあいもあります。
(硬直的な判例)

結論が不当ではあるが,判例である!
というのは,あまり言われません。

判例拘束性の問題にも関わりますが,
最高裁が出た場合に,また,新たな独自の規範を
下級審が立てることはしない場合が多いです
(あることはあります)。
最高裁にのりながら,
事実認定で乗り切って結論を妥当な方向に導いていく
というのが,普通です。




上記に述べた
知財高裁判決は,どちらかというと
硬直的だが,予測可能性が高い

最高裁は,
柔軟的だが,予測可能性に低い

と評価できるでしょうか。



最高裁をまとめても,
結局は,どちらの結論に行くか自動的には出せません。


やるなら,簡裁・地裁・高裁の事実認定を拾って,
類型化することが必要となります。


結構刑事の量刑分野だと,
苦労されて,やっている方はあります。

民事だと,一分野,一最高裁だけでも
大変な目にあいます。
そして事件に際して調べても結局分からなかった
ということもよくあります。

判例がこれだけしかない,ということはよくあります。




データベース化(取得,反映,類型化まで)
が発達しても,事件がなければ,
できません。

意外と判例がない分野というのはあります。

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