2011年1月24日月曜日

プログラム著作権の考え方:html/cssを一例に(2011-01-24 月:作成)

* プログラム著作権の考え方:html/cssを一例に(2011-01-24 月:作成)

プログラム著作権の考え方を,html/cssを一例に説明してみます(できるんかなあ)。


【定義…html・cssは法律上ブログラム言語である?】

まず,条文上の定義です。

「十の二 プログラム 電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したものをいう。」(著作権法2条1項10の2号)

著作権法10条1項9号は,著作物の例示として「プログラムの著作物」が挙がっています。

htmlやcssがこれにあたることは,疑いがないでしょう。

このプログラム著作物には,例外が,著作権法10条3項に規定されています。

「第一項第九号に掲げる著作物に対するこの法律による保護は、その著作物を作成するために用いるプログラム言語、規約及び解法に及ばない。この場合において、これらの用語の意義は、次の各号に定めるところによる。
  一 プログラム言語 プログラムを表現する手段としての文字その他の記号及びその体系をいう。
  二 規約 特定のプログラムにおける前号のプログラム言語の用法についての特別の約束をいう。
  三 解法 プログラムにおける電子計算機に対する指令の組合せの方法をいう。」


【保護されないのは?】

まず,たとえば,htmlやcss自体を使うこと,これは,著作権侵害は問題になりません。

htmlやcssは厳密にはプログラム言語ではないと一般にはいわれるとおもいますが,法的な定義からは「プログラム言語」といってよいでしょう。

つまり,htmlやcssを使うこと自体は自由です。


次に,2号です。「用法についての特別の約束」ですから,htmlやcssでいえば,「h1」は「見出しの一番デカイやつ」じゃ,とか,「pre」は「引用」じゃと同じと考えてよいでしょう。これについても著作権侵害は問題になりません。当たり前のようですが,そういうことです。

更に,3号です。「指令の組み合わせの方法」。htmlやcssでいえば,
例えば,開始タグと終了タグが必要な,<div>>と</div>を組み合わせて使う,などでしょうか。
(H230202削除・後記修正)これも当たり前のようですが,著作権侵害は問題となりません。


プログラム著作物と認められるには,当たり前ですが,たとえば,背景を青にするためのタグを使っただけでは足りません。
GPLが,10行程度はとしてGPLの適用を免れる例を挙げていますが,10行以上のコピペは,気を付けた方がいいのかもしれません(ただし,GPLでは,ともかく,htmlやcssは,10行ぐらいでは,著作物性が認められにくい部類とはいえます)。



個々のタグ自体は,普通のものですが,その組み合わせや集積で,著作物としての「表現」が認められる場合があります。たとえば,htmlやcssは組み合わせ・集積で,本来的な用法とは異なったtableタグを多用することによってデザインを作ったり,cssで驚くべきイラストを作ったりする例があります。


【出てくる結果とプログラム著作物】

出てくる結果が同じだった場合,その結果について著作物性が議論がされ,さらに,プログラム自体の著作権侵害を疑う必要が出てくることがあります。


気をつけるべき注意点は,結果が同じであっても,必ずしもプログラムが同じではないことがあることです。

つまり,たとえば,htmlやcssでは,出てくる結果は同じようだが,タグの使い方が違う,違うhtmlやcssの組み合わせを使っている場合があります。
そのために,さらに,diff的な方法を用いてソースの比較を検討する必要があります。


同じような結果が出ているが,異なるソースを用いていれば,ソースプログラム自体の著作権侵害とはなりません。結果が同じでも,異なるソースの場合があります。これは,結果としての表示等について著作物性が議論される余地はありますが,プログラム著作物は問題になりません。

【ソースプログラムのコピペ】

基本的には,ソースのコピペが問題になります。ソースの同等性・依拠性が大きな争点になります。

ソースの同等性・依拠性の主張立証責任は,著作権侵害を主張する側(著作権者等)にあるということになります。


これが基本の議論となります。面白いから,もっと続ける
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上記H230202修正

上記3号の例が誤っていました。divタグの例は,2号にあたるでしょう。2号の典型例は,プロトコル・インターフェース,3号の典型例は,アルゴリズムです。アルゴリズムをプログラム言語を用いて具体的に記述化したものがプログラムです(参照:http://e-words.jp/w/E382A2E383ABE382B4E383AAE382BAE383A0.html)。アルゴリズム自体はアイディアですから,それを具体化したプログラムが著作権法の保護の対象になるというのは,従来の理論から考えても当たり前といえます。

アルゴリズム自体は,場合によっては特許化は可能でも(ただし,議論はあるのでここでは可能とだけいっておく),そのものが著作権法の保護になるというわけではありません。

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