2011年3月9日水曜日

間違いやすい知的財産:著作権と「肖像権」,パブリシティ権

たとえば,

あるマンションそのものを写真に撮ったとします。
その写真を使うのに,マンション(正確にいえば,管理組合でしょうか)の許可(知財的には,「許諾」)を得ることが必要でしょうか?

たとえば,

ある飼い犬を写真に撮ったとします。
その飼い犬の写真を使うのに,飼い主の許可(「許諾」)を得ることが必要でしょうか。

結論的には,

どちらも,許可(「許諾」)を得る必要はありません。


著作権の観点
 写真は原則著作物となります。その権利者(著作権者)は,写真を撮影した者です。

 マンションのような工業的製品に近く,著名な仏閣やいわゆるデザインを重視したデザイナーマンション(全てデザイナーマンションであればという意味ではない)とは異なり,それ自体に著作物性は発生しません。

 犬も同じで,飼い犬は,飼い主の所有物ではありますが,犬自体は著作物ではありません。

 それなので,写真を撮影すること自体に,著作権侵害とはなりません。


人格権(肖像権)の観点
 マンションや犬自体に,当たり前ですが,人格権はありません。それなので,撮影しても,人格権侵害とはなりません。


モラルというのを傘にきて,本来著作物性をおびない種類について「許可」(「許諾」)を得るように主張するものもありますが,法律的に厳密にすれば,このようになります。

人間を写真で写すばあい,人間自体が特定できるように,一般的な観光客とか,デモ隊への参加などでない場合には,人格権侵害が認められる場合がありますので,撮った写真を使えないということもあります。これが,人格権たる「肖像権」です。「肖像権」は,名誉権とおなじく,人の尊厳にもとづくものですので,時として,表現の自由に優越する場合があるということになります。


パブリシティ権

たとえば,写真の撮影対象が,有名人だった場合,人格権として,勝手に撮影等されない権利を越えて,その有名人たるゆえに,経済的価値を帯びる場合があります。

これを「パブリシティ権」といいます。有名人は,人格権に加えて,写真等で稼ぐことができます。この経済的価値をとらえて,「パブリシティ権」といったりします。日本では,かなり新しい分野で,練られていない分野でもあります。

たとえば,さきほどの例でも,飼い犬が,CMにも引っ張りだこのような有名な犬であれば,肖像権は認められなくても,経済的価値を考慮され損害賠償が発生することもあります。

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