2012年8月1日水曜日

著作権法改正:違法ダウンロード刑罰化

改正著作権法が,可決成立しました。

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120620_541251.html

条文(改正該当)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/syuuseian/6_529E.htm

リンクがなくならないように貼っておきましょう。


著作権法の一部を改正する法律案に対する修正案

   著作権法の一部を改正する法律案に対する修正案
 著作権法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
 第百二条第九項第五号の改正規定の次に次のように加える。
 第百十九条第一項中「場合を含む」の下に「。第三項において同じ」を加え、同条に次の一項を加える。
3 第三十条第一項に定める私的使用の目的をもつて、有償著作物等(録音され、又は録画された著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)をいう。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害した者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 附則第一条ただし書を次のように改める。
  ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 一 附則第七条、第八条及び第十条の規定 公布の日
 二 第二条第一項第二十号並びに第十八条第三項及び第四項の改正規定、第十九条第四項に一号を加える改正規定、第三十条第一項第二号の改正規定、第四十二条の三を第四十二条の四とし、第四十二条の二の次に一条を加える改正規定、第四十七条の九の改正規定(「又は第四十六条」を「、第四十二条の三第二項又は第四十六条」に改める部分に限る。)、同条ただし書の改正規定(「第四十二条の二まで」の下に「、第四十二条の三第二項」を加える部分に限る。)、第四十九条第一項第一号の改正規定(「第四十二条の二」を「第四十二条の三」に、「第四十二条の三第二項」を「第四十二条の四第二項」に改める部分に限る。)、第八十六条第一項及び第二項の改正規定(「第四十二条の二まで」の下に「、第四十二条の三第二項」を加える部分に限る。)、第九十条の二第四項に一号を加える改正規定、第百二条第一項の改正規定(「第四十二条の三」を「第四十二条の四」に改める部分に限る。)、同条第九項第一号の改正規定(「第四十二条の二」を「第四十二条の三」に、「第四十二条の三第二項」を「第四十二条の四第二項」に改める部分に限る。)、第百十九条第一項の改正規定、同条に一項を加える改正規定並びに第百二十条の二第一号の改正規定並びに次条並びに附則第四条から第六条まで及び第九条の規定 平成二十四年十月一日
 附則第二条中「前条ただし書に規定する」を「前条第二号に掲げる」に改める。
 附則第四条中「附則第一条ただし書に規定する」を「附則第一条第二号に掲げる」に改める。
 附則に次の五条を加える。
 (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)
第六条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
  別表第四十八号中「第百十九条」を「第百十九条第一項又は第二項」に改める。
 (国民に対する啓発等)
第七条 国及び地方公共団体は、国民が、新法第三十条第一項(新法第百二条第一項において準用する場合を含む。)に定める私的使用の目的をもって、有償著作物等(新法第百十九条第三項に規定する有償著作物等をいう。以下同じ。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であって、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行って著作権又は著作隣接権を侵害する行為(以下「特定侵害行為」という。)の防止の重要性に対する理解を深めることができるよう、特定侵害行為の防止に関する啓発その他の必要な措置を講じなければならない。
2 国及び地方公共団体は、未成年者があらゆる機会を通じて特定侵害行為の防止の重要性に対する理解を深めることができるよう、学校その他の様々な場を通じて特定侵害行為の防止に関する教育の充実を図らなければならない。
3 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日の前日までの間における第一項の規定の適用については、同項中「新法第三十条第一項(新法第百二条第一項において準用する場合を含む。)」とあるのは「著作権法第三十条第一項(同法第百二条第一項において準用する場合を含む。)」と、「新法第百十九条第三項に規定する有償著作物等」とあるのは「録音され、又は録画された著作物、実演、レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像(著作権又は著作隣接権の目的となっているものに限る。)であって、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)」とする。
 (関係事業者の措置)
第八条 有償著作物等を公衆に提供し、又は提示する事業者は、特定侵害行為を防止するための措置を講じるよう努めなければならない。
 (運用上の配慮)
第九条 新法第百十九条第三項の規定の運用に当たっては、インターネットによる情報の収集その他のインターネットを利用して行う行為が不当に制限されることのないよう配慮しなければならない。
 (検討)
第十条 新法第百十九条第三項及び附則第八条の規定については、この法律の施行後一年を目途として、これらの規定の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講じられるものとする。


重要な改正としては,従来違法ではあった(民事的に)ダウンロード規定が刑罰化されたというのが重要でした。


構成要件としては,

第三十条第一項に定める私的使用の目的をもつて、有償著作物等(録音され、又は録画された著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)をいう。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害した者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。


です。

ここで,ひとまず安心としては,かなり厳しい故意犯となっていることです。故意犯は,基本は,上記にある客観的な事実をすべて,
認識・認容(確定的故意)
または,知らなくても違法であったとしても構わない(未必の故意)
ことが必要になります。

無償でPVを自分で流したりするから,簡単に,これは,違法ぽいだろうというというのはともかく,結構,この事実を認識・認容するのは,難しいんじゃないかなと,youtubeなどをみるとおもいます。


取り急ぎ感想,後日追記予定。

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H240626追記
弁護士なら,危ないぜ!といい,
行政側なら,大丈夫!といい,
警察が捕まえて大騒ぎ
というのが常の流れですが,

結局は,著作権法の概念が古すぎるというのが,問題とはいえます。

複製一つとっても,
ネットにつながらずみれば,間違いなく複製をしていることになります。
ネットにつながっていても,視聴者としては再生しているだけと考えていても,プログラム的には複製作業が入っている可能性があります(その可能性が高い?)。

こういう事情があるにもかかわらず,逃げられるとすれば,故意という主観的事情しかなくなってしまう(可能性が高いものとして)というのは,とても問題です。

特に,故意概念は,実体法的には,かなり違うように書かれますが,実際に警察に捕まった場合には,無理矢理的でも調書にされれば,有罪となる可能性が高くなります。


なかなか客観的事情としては否定が難しいにも関わらず,かなり技術的意味も込めた反論を備えていないといけないことになってしまいます。
著作権法の再構築がされなければ,また新しい問題ごとに出てくる可能性があります。


そういう意味では,時代の流れの中で著作権法の再構築をすることなく残っている,何か古い流れのまま新しい技術に抵抗できない業界的体質が根本的にあります。

CDが売れなくなったのは違法ダウンロードのせいだ!

こんなアホなことをいうようではダメですわな。


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H240704追記

客観的事情ではなかなか逃げられないというのが現実です。
本来的ならば,技術的現状と意義を理解した上で,著作権法の解釈の整合性を書くのがいいとはいえます。

ただ,客観的要件はかなり難しい。

しかたがないので,
故意で逃げられるのではないかという事情を書いていくのも一つです。


1. 例えばyoutubeを,「http://musictonic.com/」のように,自動的にリンク先が拾ってきて,自分のパソコンで再生された場合


これは,拾ってきたファイルによっては,再生=複製という議論?はあったとしても,客観的要件を否定するのは,かなり難しいかとおもいます。

ただし,この場合は,故意を否定するのに言いやすい事情があるといえます。

勝手に(自動的に)ファイルを持ってきているので,敢えてとはいい難いのです。

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H240801追記

youtubeのキャッシュについては,

(電子計算機における著作物の利用に伴う複製)第四十七条の八 電子計算機において、著作物を当該著作物の複製物を用いて利用する場合又は無線通信若しくは有線電気通信の送信がされる著作物を当該送信を受信して利用する場合(これらの利用又は当該複製物の使用が著作権を侵害しない場合に限る。)には、当該著作物は、これらの利用のための当該電子計算機による情報処理の過程において、当該情報処理を円滑かつ効率的に行うために必要と認められる限度で、当該電子計算機の記録媒体に記録することができる。
(平二一法五三・追加)


「利用のため」の複製として認められるとはいえます。
ただ,これでは,技術的中身を知らないで利用するのが,一般利用者ですから,客観的に,なんでもそうだ!とはいい切れない(将来も含めて)問題も出てくるかもしれません。

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