2012年10月30日火曜日

強い権利を作るコツ:登録しなくてよい著作権、登録が必要な商標権、意匠権

強い権利を作るコツ:登録しなくてよい著作権、登録が必要な商標権、意匠権

意外と誤解が多いところで、よく聞かれますので、簡単に書いておきます。

なにかを作ったとき(なんでもいいですが、パンフレットとか、字の記載が中心の商品とか)、

著作権があるからよい!

というのは、実は、あまり、権利が強いとはいえません。

まず、著作権ですが、著作権は、特許庁等への登録が不要な権利です。
ただ、それゆえに、権利があるか否か、権利の範囲が不明確になります。それらは、最終的には裁判所が決めることになります。

紛争になった場合、じゃあ、裁判所で決めてもらいましょう、となったら、著作権を主張する側で、裁判を勝ち切らないといけないということになります。

もちろん、意匠、商標、特許でも最終的には裁判所の判断です。しかし、意匠、商標、特許が
、既に特許庁が権利の有無・権利範囲を示しているのとは異なり、著作権では、そのような公権的判断は一切ありません。

立証の面でも、裁判において本気で著作物性から争われたら、かなり大変な目にあいます。

もともと、著作権は、「文化の発展に寄与することを目的とする」(著作権法1条)こともあって、その面からの制約も多いといえば多いといえます。

たとえば、大量生産の工業製品では、それ自体で著作物性が認められにくくなる要素をもっています。法律的な見解は別にして、裁判所の頭の中には(決していいませんが)、
  
  なんで意匠登録していないの?
  なぜ、商標登録していないの?

ということになります。

字で構成されたものでも、
  ありふれた表現じゃん!
  (これを、創作性の問題といいます)
とされたとき、
  ありふれた表現ではない!
  オリジナルな表現だ!
と言っていく必要があります。

著作権は、元々、産業寄与そのものが目的ではありません。大量の工業製品において、個性があふれた言葉よりも、実は、一般消費者に分かりやすい普通の言葉で書かれるのが普通です。そうなれば、オリジナルな表現というのは、時として抑制的になっていくことになります。一般的・分かりやすい言葉というのは、それだけ個性を失うということになり、著作物性も認められにくくなるという傾向があるということです。



できれば、商品を作った場合には、
  著作権だけに頼るのではなく、
  商標登録が可能でないか、意匠登録はどうか、と登録が必要な知的財産の検討と権利取得をするのが強い権利を作るコツとなります。

複合的に、多方面から、特に登録が必要な権利取得を積極的にするのが強い権利を作るコツとなります。

著作権だけで主張するのは、お金はかかりません。しかし、強い権利を作るには、それなりのコストと戦略が必要となります。費用対効果は見極める必要はありますが、一般的には、著作権だけでは強い権利とはならない、といえます。


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