2012年10月5日金曜日

捏造切り貼り報道対応:SNS利用の反論権・・・弁護士の新しい使い道?


反論権

なかなか聞きなれない言葉かもしれませんが、
憲法訴訟となって有名です。

なかなかネット上では、きちんと判決日までが出ているのが少ないので、ちょっと細かく書いておきます。

最二小昭和62年4月24日判決(民集第41巻3号490頁)

です。中身は、かなり面白い判決で、日本共産党vsサンケイ新聞です。


要するに、新聞社に、「同一スペースで無料かつ無修正で反論文の掲載」を求めることができるかが大きな争点となっています。元々、有料ならば載せるというところから始まっており、「無料」「無修正」というところがポイントです。


最高裁判決判示(原文、そのまま版)

新聞の記事に取り上げられた者が、その記事の掲載によつて名誉毀損の不法行為が成立するかどうかとは無関係に、自己が記事に取り上げられたというだけの理由によつて、新聞を発行・販売する者に対し、当該記事に対する自己の反論文を無修正で、しかも無料で掲載することを求めることができるものとするいわゆる反論権の制度は、記事により自己の名誉を傷つけられあるいはそのプライバシーに属する事項等について誤つた報道をされたとする者にとつては、機を失せず、同じ新聞紙上に自己の反論文の掲載を受けることができ、これによつて原記事に対する自己の主張を読者に訴える途が開かれることになるのであつて、かかる制度により名誉あるいはプライバシーの保護に資するものがあることも否定し難いところである。しかしながら、この制度が認められるときは、新聞を発行・販売する者にとつては、原記事が正しく、反論文は誤りであると確信している場合でも、あるいは反論文の内容がその編集方針によれば掲載すべきでないものであつても、その掲載を強制されることになり、また、そのために本来ならば他に利用できたはずの紙面を割かなければならなくなる等の負担を強いられるのであつて、これらの負担が、批判的記事、ことに公的事項に関する批判的記事の掲載をちゆうちよさせ、憲法の保障する表現の自由を間接的に侵す危険につながるおそれも多分に存するのである。このように、反論権の制度は、民主主義社会において極めて重要な意味をもつ新聞等の表現の自由(前掲昭和六一年六月一一日大法廷判決参照)に対し重大な影響を及ぼすものであつて、たとえ被上告人の発行するD新聞などの日刊全国紙による情報の提供が一般国民に対し強い影響力をもち、その記事が特定の者の名誉ないしプライバシーに重大な影響を及ぼすことがあるとしても、不法行為が成立する場合にその者の保護を図ることは別論として、反論権の制度について具体的な成文法がないのに、反論権を認めるに等しい上告人主張のような反論文掲載請求権をたやすく認めることはできないものといわなければならない。なお、放送法四条は訂正放送の制度を設けているが、放送事業者は、限られた電波の使用の免許を受けた者であつて、公的な性格を有するものであり(同法四四条三項ないし五項、五一条等参照)、その訂正放送は、放送により権利の侵害があつたこと及び放送された事項が真実でないことが判明した場合に限られるのであり、また、放送事業者が同等の放送設備により相当の方法で訂正又は取消の放送をすべきものとしているにすぎないなど、その要件、内容等において、いわゆる反論権の制度ないし上告人主張の反論文掲載請求権とは著しく異なるものであつて、同法四条の規定も、所論のような反論文掲載請求権が認められる根拠とすることはできない。
最高裁判決(縮小版、裁判所HPの要旨から)
新聞記事に取り上げられた者は、当該新聞紙を発行する者に対し、その記事の掲載により名誉毀損の不法行為が成立するかどうかとは無関係に、人格権又は条理を根拠として、右記事に対する自己の反論文を当該新聞紙に無修正かつ無料で掲載することを求めることはできない。

ということになります。
最近のマスコミは(昔からそうか?)、切り貼りしたり、捏造したりというのが発覚しても、適当な謝罪しかしませんので、報道被害というのは、かなり深刻な問題です。

名誉毀損をしても、それなりに意図があって書いている場合も多く、さすがというべきか、名誉毀損を避けるように上手く書いている場合も多いといえます。

また、仮に後日紙面で訂正されても、元記事が分からないので、謝罪の意味がないことも多く、マスコミに多くを期待してもダメな場合も多いといえます。


それならば、ということで、SNS、facebookやGoogle+で、自ら発信してしまえ

というのが、有効になってきています。同一媒体のものではないので実際の反論権とは異なりますが、かなり有効な手段と考えられます。

政治家や有名人、これからは、自ら発信していき、既存のマスコミを打破・論破していく場面も多く見られるのかなとおもいます。


成功例

安倍総裁がFBでマスコミ攻勢 「サンデー毎日は捏造記事」と断じる
J-CASTニュース
2012年10月03日19時49分

http://news.livedoor.com/article/detail/7012138/


コツは、対象となった記事を、併せて載せることでしょうか。

ちなみに、批判の対象となる記事を載せることについては、著作物の「引用」となり、合法的に可能です。

適当な謝罪を受けるよりも、経緯と証拠と事実と意見を綿密に載せていくのが妥当といえます。

企業の発信力にも利用できますね。
弁護士が書くことも効果的とおもいます。
依頼を受けたらよろこんでさせて頂きますw
………………………………………………………………………………