2012年11月6日火曜日

認可、不認可:適当な理由による不認可はダメである。

認可、不認可:適当な理由による不認可はダメである。


法的手段も検討 田中文科相、秋田公立大不認可で副市長

2012.11.5 11:42
産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/life/news/121104/edc12110403390000-n1.htm
認可と許可の違いとが曖昧なまま報道されている感がします。「認可」は、簡単にいえば、基準に沿っているか否かを判断するもので、基準に沿っていれば認可、沿っていなければ不認可というもので、勝手に認可権者が決めることができないものといえましょう。

大学の設置認可は、学校教育法に定められています(学校教育法4条柱書)。
その認可権者は、文部科学大臣です(学校教育法4条1号)。

ちなみに、「文部科学大臣がした大学又は高等専門学校の設置の認可に関する処分」については「行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立て」ができません(学校教育法139条)。つまり、審査請求や異議申立てはできないということになります。

ということは、
裁判所への(仮のも含む)義務付け訴訟(と無効確認等)
となるでしょうか。

今回の場合は、

田中文科相 答申否定は裁量権の逸脱

2012.11.4 03:39 (1/2ページ)
産経ニュース
「大学設置・学校法人審議会の答申を覆し」
従来の大学設置基準に沿った答申を否定することは、裁量権の逸脱」

とされていますが、簡単にいえば、審議会の答申は、基準に沿っているか否かを認可権者への判断材料とするものといえます。

裁量権も認可の場合は、かなり狭まったものとなります。

今回は、
「不認可とした個々の具体的理由に言及せず、「大学が全国で約800校ある中、大学教育の質が低下している」「大半の(審議会)委員が大学(関係者)で、大学同士が互いに検討している」と述べた。」

と報道されていますが、認可は、個々の具体的判断です。裁判になれば、かなり(認可申請者が)勝ち筋なものといえます。

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H241106追記

学生がかわいそうとかの感情的な取材ばかりですが、問題の本質は、認可の適否です。基準に沿った適切な答申がされたか否かです。

報道よりもネットの方が、その点は情報が多い。速報性も負け、内容の深さにも負けている感じがしますね。

問題の大学設置については、

平成25年度開設予定大学等認可申請一覧

にあります。

平成24年3月末申請の大学等の設置認可の諮問について

「本年3月末に申請のあった平成25年度開設予定の大学(4件)及び大学院大学(1件)の設置認可について、大学設置・学校法人審議会にて、文部科学大臣から大学設置・学校法人審議会へ諮問いたしましたので、お知らせします。」と平成24年4月13日付で文部科学大臣から諮問がされています。

別件で同じ平成24年4月に諮問された案件が、平成24年6月18日に答申がされています。

平成25年度開設予定の大学の設置等に係る答申について

不認可のものです。

不認可の理由も詳細で根拠法令も挙げられています。

他に今回の件も含めて、答申は上がっていません(見つからなかっただけもしれないが)。

平成24年度開設予定の大学の設置等に係る答申について
は、
に上がっています。
平成23年4月及び6月の諮問で、平成24年10月24日に答申がされていますので、この時期くらいに普通でも上がるという感じでしょうか。


答申がないとよく分からないとはいえます。報道によると、答申があったというのですが、その原資料が見つかりません。ソースを示すか、答申全文を載せればいいのにとおもいました。それこそ報道の価値というものでしょう。感情的な取材(?)をして、それで終わりの感じで、とてもどうでもいい報道になっています。

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H241107追記

nikkansport.com

[2012年11月7日13時11分]


http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20121107-1043561.html

「(不認可の)処分はしていない。・・」


認可権者の結論は、処分という形で通知がされるので、まだ、処分は出していない。これはこれで正しい言い訳ですね。いくら会見で認可しない予定だ!と言っても正式な処分ではありません。処分がないので、上記に述べた既に出された処分を対象とするものとは、また違った検討が必要になります。

まだ「新基準」を作ってと言っていますが、新基準のハードルがどれぐらいかで、たとえば、来年度開校が到底できないようなハードルの高さでは、やはり、裁量権逸脱になろうかとおもいます。


そして、結局、すんなり認可されるのならば、「新基準」によってする。敢えて認可しないと言い放った意味がなくなってしまいます。

簡単に、新基準で認可された!と言い張る感じがしますが、どのような「新基準」が出てくるのか注視する必要があります。

ちなみに、認可された場合も留保事項がつくことが多く、なぜ、対象の大学設置だけが、「新基準」に基づくものとされたのかの説明も必要になるでしょうか。

きちんとした「新」答申が楽しみです。

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H241107追記

参考判例追記

福岡地判平成10年8月27日(平成9年(行ウ)第31号柔道整復師養成施設不指定処分取消請求事件)

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/AFC4CEDD28B71BE849256D41000B08F7.pdf

裁判所HPよりの
判示事項

厚生大臣が柔道整復師養成施設指定申請に対してした同指定を行わない旨の処分が,違法とされた事例

裁判要旨

厚生大臣が,柔道整復師養成施設指定申請に対し,柔道整復師の従事者数は相当増加している状況にあり,養成力の増加を伴う施設を新たに設置する必要性が見いだし難いこと等を理由としてした,同指定を行わない旨の処分につき,当該申請は所定の指定基準を満たしているところ,柔道整復師法(昭和45年法律第19号)の制定経緯,柔道整復師とその免許等において類似するあん摩マツサージ指圧師,はり師,きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)19条1項があん摩マッサージ指圧師等の養成施設の認定,承認をしないことができる例外を設けているのに対し,柔道整復師法にはこのような規定がないことからすると,申請について所定の指定基準が満たされている以上,処分庁において裁量の余地はなく,厚生大臣は前記申請に対し指定を行わなければならなかったものであり,また,仮に,裁量の余地があるとしても,前記処分の理由では,厚生大臣の裁量権の行使には逸脱があったというべきであるとして,前記処分を違法とした事例


行政法も判例がかなり重視される分野ですが、よく似ている事例でしょうか。


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H241107追記
 認可に転じたようです。
時事通信 11月7日(水)17時0分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121107-00000103-jij-soci

今回、一番、おかしい発言・・・

正式認可前の校舎建設など大学の素早い対応も「どこからか(認可の)サインがあったのか。全部できているから認可を、というのはおかしい」と批判し「認可は大臣がする。古い形の決め方は認めがたい」と強調した。」

nikkansports.com
[2012年11月7日8時43分 紙面から]

すごすぎる。
大学設置基準が、そもそも、校舎建設を要求しているのですから、認可の前に作るのは当然です。そうだからこそ、もちろん、基準に沿うように、進行毎に段階的に担当者との打ち合わせをしながら進めます。

そして、だからこそ、いきなり基準を変えたり、基準に沿っていながら認可を出さないということができないようになっています。


いきなり作って、これでハイ!なんてやってるわけないじゃんw

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