2012年11月14日水曜日

「実印」の話 No.2:印鑑証明書の上手な使い方

「実印」の話 No.2:印鑑証明書の上手な使い方

1 印鑑証明書とは何か?
印鑑証明とは、簡単にいえば、この「印鑑」、正確にいえば、この印影を持つ印鑑は誰々のものであるということを証明するものです。

法律的そして、裁判例的には、

たとえば、契約書に「実印」が押されている場合は、その人が自分の意思で押し、内容も含めてその契約の拘束力に服するという効力をもちます(ものすごく簡単に書いていますが、これを「二段の推定」といいます)。

契約書に「実印」が押されても、それが「実印」か否かは、それだけでは分からない。その印影が「実印」である、すなわち、どこどこの誰々の印鑑であると証明するのが「印鑑証明書」です。

「印鑑証明書」がなければ、その印鑑は、誰々のものであるということを立証する必要があります。実は、この立証はとてもむずかしく、文房具屋で普通に売っている認め印ならば、いや、ここに同じの売ってるし!と言われれば立証がほぼ不可能となります(厳密には同じのはないと聞いたことがありますが、同じにみえますね)。

その人の印鑑ということが立証できなければ、契約書に、その印鑑が押されていても、その人が押したとは限らんじゃないか!となります(二段の推定が働かない)。

これが、「印鑑証明書」の効力です。

2 印鑑証明書が必要な場合

印鑑証明書が必要な場合としては、

特に署名を自署せず印鑑だけしかない場合には、必ず用意させる必要があります。よりどころは、その印鑑がその人のものであると後で立証できなくなるのを防ぐためです。

ハンコを押す者が遠方地等におり、面前でハンコを押しているのを確認できない場合もそうです。郵送でやり取りをする場合は、特に契約が厳格なもの、高額なものほど、印鑑証明書が要求される、するべきということになります。

そうはいっても、カードを作るときなどほとんど本人確認書類はいりますが、印鑑証明書は必須というわけではありません。これは、姓名を「自署」させているからというのも法律的には大きな理由となっています。
「自署」は、実は、ハンコを押すだけよりも、個性的ゆえに、効力が高いということも多いといえます。

3 印鑑証明書と契約書の記載

印鑑証明書をつけてもらった、
印影も一致している

これだけで、大体は大丈夫ですが、さらに念を押して慎重にするのであれば、

住所、名前を、
印鑑証明書の記載と一致させることも重要です。

たとえば、住所ならば、
印鑑証明書では、
1番10−10
となっているが、
契約書では、
1−10−10
となっている。

これも厳密にはよくありません。

名前も、印鑑証明書では、戸籍住民票の字が反映されていることになりますが、契約書では、略字を使っていたり、漢字が戸籍とは違うとか(ツチヨシとか、斉藤の「斉」とか)も、一致していないという点では、あまりよくありません。

極めて厳密な書面、超高額商品(不動産とか)、公の書類、公正証書などの書面については、印鑑証明書の記載と一致しない場合、書き直しが言われることが多いです。印鑑証明書をみながら、正確に書く癖をつけておくとよいといえます。

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