2014年7月10日木曜日

こう、来たらこう!よくある主張、まとめ:過払い金訴訟、悪意の推定(やや専門向け)


1 よくある主張をまとめると便利

主に訴訟をしているときに、ある類型の訴訟には、たいてい出てくる・使う典型的な主張があります。一々裁判例まで調べてするのも時間の無駄ですので、

こう来たら、こう!
というものを用意しておくと便利です。

2 過払い金訴訟における貸金業者の典型的主張・・・悪意ではない。

今回は、過払い金訴訟、悪意の推定の主張です。論理的には、貸金業法43条1項の適用があると主張立証し、後にこの悪意ではない旨の主張となりますが、たいていの貸金業者は、悪意ではない旨いうだけで、貸金業43条1項の主張立証さえしません。

少し、適当に書いている感はありますが、たいていは、これで足ります。きちんとした主張に対してはきちんとした反論をする必要がありますが、適当な主張に対しては、この程度での反論で十分です。

3 記載例


 貸金業者が利息制限法の制限超過利息を受領したがその受領につき貸金業43条1項の適用が認められない場合、特段の事情が認められない限り民法704条の「悪意の受益者」であることが推定される(最三小平成18年(受)1666,平成19年7月17日判決(判時 1984号26頁))。
 本件は、みなし弁済の適用は毛頭なく、また、上記特段の事情もない。
 被告は、民法704条の悪意の受益者に他ならない。
 なお、みなし弁済の主張は、単に主張するだけでは足りず、個々の取引ごとに主張立証が必要である。また、上記「特段の事情」は、いわゆる間接反証に該たるもので、特段の事情の存在につき、被告側で立証する必要がある。被告は、「みなし弁済が成立していないことを認識していない」としているが、そうであるのであれば、法律上の要件を充たす証拠資料を早々に提出し主張立証を尽くすべきである。

4 なめられているか時間稼ぎの主張、または、和解有利にするための主張

過払い金訴訟は、1人でも弁護士を使わずでもできるというのが、割にトレンドとして流れています。

確かに、割りと定型的であり(定型的となったのは、先人の努力という面はあるも)、特殊な法的主張、特に、請求側で主張立証責任がある主張もあまりないので、そういう面(1人でできる)もないことはありません。

しかし、必要な主張立証を伴わない悪意でない旨の主張は、知らないであろうとなめられた主張、または、時間稼ぎの主張、または、和解を有利にするための主張としかみることはできません。

悪意でない旨の主張に対しては、むやみに譲歩する必要はありません。


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