2014年6月13日金曜日

弁護士のできること、使い道:「遺言」編(一般向け)

弁護士って何してくれるん?
いつ相談すれば、いいん?
もめてからで、いいんでない?

よく言われることですが、「離婚」に引き続き、一般向けに書いてみます。

遺言も段階があります。

生きているときに、しなければならないのはもちろんですが、自分が死んでから、法律的な効力を否定されたり、相続人間でもめたら、あまり意味がなくなってしまいますし、自分の意思をかなえる という本来の趣旨にも沿わなくなります。

① 健康上何も問題はない。病気もないし、仕事もしている。まだ後にゆずることは毛頭考えていない。

② 財産といっても、この家しかないし、遺言なんてしなくてもいいんじゃないかな。

③ まだ、息子も結婚していない、まだ遺言なんて必要ないんじゃないかな。

④ うちは、兄弟(子供)は、仲が良いし、大丈夫だろう。

⑤ 先にゆずると贈与税がかかるし、相続でしてもらったらいいやろ。

⑥ 遺言も自分なりに書いたし、これで十分だ。

これらの段階の問題点を整理しましょう(必ず、こうなるというわけではありません。もちろん)



① 健康なとき、遺言を書こうとする人は、やはり、稀です。

しかし、じつは、こういうときに書いておくのが法律的には、もっともよいです。

・頭がさえているからこそ、遺言の方法等について頭をはりめぐらすことができる。
・あらかじめ揉めそうな人がいるならば、最善を尽くすことができる。
・後で遺言能力を疑われることが少ない。

いい事尽くしです。

遺言は、あとで書き直すことが可能です。内容に矛盾があれば、後のものが有効となります。

注意点としては、自筆証書遺言で特に問題になるのが、幾通も遺言があって、相互に矛盾していないといわれる場合があることです。前の遺言を特定して、しっかりと取り消しておくことが重要となります。遺言を自分の手元においておき、弁護士に相談する、そういう利用の仕方もあります。

自分がしっかりしていれば、遺言執行者を託した弁護士に決めておくこともできます。遺言を実行する者を事前に決めておくということです。

もちろん、自分より若い弁護士の方が確率的には(!)、よいということにはなります。

成年後見でも同じようなことがいえますね。

② 自分にとって、大したもの(金額)とは思ってなくても、実は調べたらとか、死亡した時に値段がはね上がる、そういうことは、もちろんあります。

また、経済的価値がそれほどなくても、唯一残された大きな財産ということで、不動産は、のちにもめる元になることも多いといえます。

③ 言い方はふさわしくないかもしれませんが、息子さん・娘さんが、自分より早くになくなることもあります。その場合、自分の兄弟が相続人となります。偶然の事態に対処できるようにしておく。これも遺言の効用の一つです。

④ 兄弟間。これは、もっとも争いが多い類型でしょうか。各々に世帯をもち、各々に夫・妻ができ、さらに、相手の実家まで出てくる事態。こんな事態は、かなり多くみられます。

⑤ 贈与税はたしかに高い場合が多く、積極的に生前贈与をしない選択も、もちろんあります。
しかし、逆に、贈与税を払ってでも先に処理をしておくほうがよい事例も、多くあります。会社承継でみられる、株式会社の株式贈与も、その例の一つでしょうか。後継者と目される者に、相続は相続として切り離して処理しておく。それも一つの作戦といえます。


⑥ 自筆証書遺言で足りる、実は、法律的な効力がなかった、自分の思い込みで、せっかく書いた遺言が無効になる。これほど悲しい事態はないです。

せめて、弁護士によるチェック作業は必要でしょう。もういちど形式にしたがったアドバイス、必要ならば公正証書遺言にしておく勧めもあります。

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