2014年7月30日水曜日

特許戦略の一つ、マグロの話を例に:公に開示することと特許




韓国  2014/07/24(木曜日)
黒マグロの国内養殖が本格化、海洋水産部[農水]

http://nna.jp/free/news/20140724krw012A.html

近大マグロの養殖技術の記事をみながら思いつきました。

完全養殖をいっているのであれば「純粋な国産技術」は、かなりあやしい記事ですが、よくみると、韓国国内業者向けについては、いわゆる稚魚から育てる蓄養技術のことをいっているものとおもわれます。

近大が、もちろん全部ではないでしょうが、養殖技術について、韓国と技術交流をしていたのは事実です。広く日本ではされている蓄養と完全養殖とは、かなり異なるもので、蓄養のための稚魚を生産・養殖可能稚魚に生育する技術は、乱獲を阻止するためにも公にするメリットというのはあるといえます。

特許戦略の一つとして、もっとも核心的な部分を除き、あとは公にしてしまい、特許をとられないようにする、という戦略があります。

公にされれば新規性が消失しますので、自分も邪魔されることなく使うことができるという方法です。

そもそも、基本的な蓄養技術は、公になっているといってもよいでしょうか。この記事は、「独自技術」といっていますが、そんなふうに読めます。

記事によると、「輸出品目」の一部として重要視するとしていますが、日本向けは、ひとまずかなり難しいといえるでしょう。日本、日本人の魚に対する根幹ともいえる「マグロ」について、日本・日本人が満足するようなものができるかという問題でもありますし、日本は、養殖でも、さらに、質が求められる極めて厳しい市場です。

やれるもんならやってみろ!手法ともいえます。



私の子供のころ、生魚をたべる野蛮人と日本と日本人のことを言っていた国が、マグロという日本の根幹までたどりつくのは、極めて困難じゃないかなとふとおもいました。

乱獲問題は、稚魚争奪問題でもありますので、稚魚→養殖可能稚魚生育技術が全体に確立すれば、メリットがあるという判断ともいえます。



ただ、マグロの需要は、日本だけでなく、日本向けではなければ、そこそこの質(日本が求める、よいとされる質もまた違うものとおもいます)でもよいともいえます。多分、日本向けは、公になっている蓄養技術だけでは不十分、日本向けでなければ十分といえるでしょうか。

日本向けについては、単に技術の問題ではない、マグロを愛する消費者や料理人の要望をくみ、技術的に応用するという過程とノウハウが必要となります。

技術者のほうも、「質のよい」マグロとはなにかという極めて文章化しにくいことを目指すという、とても日本的な高度な技術と意識が必要になります。

先ほどは、「核心」を除き公にすると書きましたが、特許をとるのも、公にすることです。
特許をとっても、その先にある技術を知られないようにする、実は、特許とは、本当に本質的なことは書かれないものともいえます。


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