2014年7月25日金曜日

法律問題の9割は弁護士を使わないで済む:単なる「相続放棄」




法律問題の9割は弁護士をつかないで済む(はず!)という問題点をシリーズで書いています。結局のところ、弁護士をつける、頼む、相談するタイミングも併せて問題となります。

今回は、「相続放棄」です。

親などが死亡したとき、相続が発生します。
親が多大な債務を負っている場合、単に相続してしまうと(「単純承認」といいます)、多大な債務を払っていくことになります。それに見合う財産があればよいですが、債務を相続したために、生活が成り立たなくなってしまう。そのような不利益を免れるのが「相続放棄」です。

借金を負うというのは、単に知らないところで借金をしていたという事案(債務整理事案に近い)だけではなく、会社経営をしていればあり得る運転資金等の保証人等の事案もあります。
また、相続開始時には、知らない借金があり、急に多額な債務があったことが判明したとか事案は、色々あります。


まず、明らかに借金しかない。そのような場合は、速やかに「相続放棄」をする必要があります。一般に言われているように、単に書面を残すだけでは法律的な「相続放棄」とはなりません。

管轄裁判所(一般には、相続人死亡住所地)へ、「相続放棄の申述書」を提出する必要があります。
民法
(相続の放棄の方式)
第九百三十八条  相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

相続放棄をすれば、最初から相続人とはならなかったことになります。

民法
(相続の放棄の効力)
第九百三十九条  相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

「相続放棄」は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内」にする必要があります。申述を、3か月以内に提出する必要があるということです。
民法
(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第九百十五条  相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2  相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

相続開始とは、普通は、相続人が死亡した時と起算点が一致します。意外と3か月は早く、相続放棄をするならば、なるだけ早くに家庭裁判所へ手続をする必要があります。この書式自体は、基本は単純で、家庭裁判所に備えられた書式(ネットからも取れる)に、必要な事項を書き提出すれば足ります。


単純事案ならば、弁護士を使う必要はありません。

たとえば、

・既に死亡時から3か月を超えている。
・いきなり、多額の債務が判明した。
など、形式的には、死亡時から3か月を超えている場合は、法的評価・法的判断となります。

このような場合は、「相続放棄の申述書」にも、認められるように工夫をして書く(もちろん、結果的に認められない場合もある)必要が出てきます。

このような段階では、弁護士を使う意味が出てきます。

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