2014年8月27日水曜日

著作権:「私的使用」は、とても限定されたもの




法律には、原則・例外論があります。
条文上、原則・例外が定められていても、裁判例上、実質的に、原則・例外がひっくり返っている場合もあります。固い原則論、柔らかい原則論と分類してもよいでしょうか。

今回は、著作権の「私的使用」です。

著作権法30条
著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
一  公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
二  技術的保護手段の回避(第二条第一項第二十号に規定する信号の除去若しくは改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うこと又は同号に規定する特定の変換を必要とするよう変換された著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の復元(著作権等を有する者の意思に基づいて行われるものを除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
三  著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合
2  私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

ものすごく簡単にいうと、家庭内における複製を「例外的」に認めたものです。

最近問題になっている事案で、インタビュー等でも、「私的使用」で対処できないか?とよく聞かれます。

この「私的使用」については、原則・例外が、かなり条文どおりの、原則論が強い、固い原則論のものといえます。

私的使用で免れるのは、かなり例外的で普通は認められにくい(侵害といわれる)という、感覚が必要となります。

そのため、裁判等で主張する場合には、「私的使用」論は、最後の手段的なものともいえます。なるだけならば、他の方法で免れることができないかを考えるということになります。

条文とは少し違うが、これも認められるのではないか?ここが固い原則論と柔らかい原則論の違いになります。

固い原則論が取られる場合は、条文と離れると認められにくくなります。

「私的使用」の場合も、条文をよく分析すると、

個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内
→個人的、家庭内が「準ずる」の内容を限定する。

その使用する者が
→自分でしていない場合は、認められにくくなる。

複製する
→「複製」だけです。

条文により忠実になっていくのが、固い原則論となります。

なかなか、「私的使用」は、認められるのが難しいのです。
……………………………………………………