2014年12月9日火曜日

シェア・引用による名誉毀損(やや専門向け)



H261209記載
ネット上の名誉毀損
といっても、基本は、現実のものと同じように判断されます。

今回は、あるサイトをシェア、紹介した場合の名誉毀損を書きます。

1 通常のシェア、紹介、引用による名誉毀損

あるサイトを引用、シェアした場合に名誉毀損が問われるか、割りと問題になっています。

引用部分について、真実性がない場合は、名誉毀損に問われますが、他人の著作物を引用する場合は、最高裁判例があります。
最二小平成10年7月17日判決(裁判集民 189号267頁)です。

他人の言動、創作等について意見ないし論評を表明する行為がその者の客観的な社会的評価を低下させることがあっても、その行為が公共の利害に関する事実に係り専ら公益を図る目的に出たものであり、かつ、意見ないし論評の前提となっている事実の主要な点につき真実であることの証明があるときは、人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱するものでない限り、名誉毀損としての違法性を欠くものであることは、当審の判例とするところである(最高裁昭和六〇年(オ)第一二七四号平成元年一二月二一日第一小法廷判決・民集四三巻一二号二二五二頁、最高裁平成六年(オ)第九七八号同九年九月九日第三小法廷判決・民集五一巻八号三八〇四頁参照)。そして、意見ないし論評が他人の著作物に関するものである場合には、右著作物の内容自体が意見ないし論評の前提となっている事実に当たるから、当該意見ないし論評における他人の著作物の引用紹介が全体として正確性を欠くものでなければ、前提となっている事実が真実でないとの理由で当該意見ないし論評が違法となることはないものと解すべきである。

これは、真実性の対象が、引用であることが明確なことが重要です。
どこどこの何々に、こう書いてある。
というのが、はっきり出れば、その引用事実を元に意見をいう場合は、基本的に名誉毀損とならないという論理です。

facebook、twitter、Google+などいろいろな手段はありますが、基本的に、その形式にしたがってシェア等すれば、引用であることが明白となりますので、基本的に、それが真実でなくても、意見表明として名誉毀損には問われないということになります。


2 事実の真実性の裏付け

これと同じようで違うのが、最高裁判例にあります。通信社の記事をそのまま配信は、ダメとされた事案です。

最二小平成14年3月8日判決(裁判集民206号1頁)

 民事上の不法行為である名誉毀損については、その行為が公共の利害に関する事実に係り、その目的が専ら公益を図るものである場合には、摘示された事実がその重要な部分において真実であることの証明があれば、同行為には違法性がなく、また、真実であることの証明がなくても、行為者がそれを真実と信ずるについて相当の理由があるときは、同行為には故意又は過失がなく、不法行為は成立しない(最高裁昭和三七年(オ)第八一五号同四一年六月二三日第一小法廷判決・民集二〇巻五号一一一八頁参照)。そして、本件のような場合には、掲載記事が一般的には定評があるとされる通信社から配信された記事に基づくものであるという理由によっては、記事を掲載した新聞社において配信された記事に摘示された事実を真実と信ずるについての相当の理由があると認めることはできないというべきである(最高裁平成七年(オ)第一四二一号同一四年一月二九日第三小法廷判決・裁判所時報一三〇八号九頁参照)。


通信社配信の記事は、これは配信の記事である!として他の新聞には載らないのが普通です。引用元が明らかとなっていないので、一般読者としては、自ら真実と認めて書いていると思わざるを得ないといえます。


3 「噂」の話と引用の問題

◎◎という「噂」がある
とした場合、上記2つの場合が厳密にはあります。きちんと「噂」の元が著作物としての引用であるか否かで結論が違ってくるといえます。

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参考リンク