2015年3月4日水曜日

報酬の発生時期:事件は終わっていない vs 事件はおわった




H270304記載

時折問題になる話で、報酬の発生時期の問題があります。

報酬の発生時期:

事件は終わっていない  vs  事件はおわった

の話です。

「事件終了」により、報酬が発生する
のが基本ですが、問題は、依頼者と弁護士との間での「事件」「終了」の食い違いがあると起きる問題です。


まずは、契約内容。
「事件」の範囲は、通常は、契約内容で決まります。弁護士は、どこまでやるべきなのかを決めます。お客様側としては、もちろん、弁護士としても、重要な問題です。

通常、弁護士の仕事は、一定の区切りごとの「仕事」が一単位となります。

たとえば、

交渉
→裁判(訴訟)(一審)
→裁判(訴訟)(二審)
→執行

と各段階ごとに1事件となります。
上記の例でいえば、4事件ということになります。

弁護士会が定めた旧標準報酬規程、当事務所もそうですが、ほとんどの弁護士がそれをなぞったことが多い各弁護士の報酬規程でも、そうなっています。

この場合は、事件の開始は、その手続ごと、事件の終了は、その手続が終了するごと、報酬発生も、その手続終了の段階で発生する
ということになります。


しかし、この例は、たとえば、貸した金を返して欲しいという内容のものであれば、

交渉でダメであった。
裁判で勝った(判決が得られた、たとえば、仮執行宣言はつかなかった)
裁判で勝った(確定した)
払わないので執行してお金をもらった。
という段階を上記の例でいうとたどることになります。

お金を返してもらった段階で、事件終了とみて、報酬が発生するということになれば、最後の段階でということになります。

金をかえしてもらうために、弁護士を雇ったんだから、途中で報酬が発生するはずがない!
と考えられることも一理あります。

それとは逆に、ちょっと執行が見込めないが、念のため裁判をして債務名義(執行ができる書面、判決書等のことです)を取っておく。こういう例もあります。

どこまで事件を頼んだかは、

  • どこまでの仕事を(最初の着手金で)弁護士がやるべきか。
  • 事件終了により、報酬が発生するのはいつか。
と色々な場面で問題となります。

弁護士の(普通に)考えているところと、
依頼者が普通考えているところとが
一致しない場面といえます。

よく話し合って、契約内容とすることが必要となります。


基本、「事件」ごとの段階で考えるとして、
場合によっては、「事件」をまたがって、着手金を決める、報酬の発生時期を決める場合も、もちろんあります。

また、追加の着手金が必要であれば、どこの段階で必要となるか、今の着手金で、どこまでやるかを明らかにした上で、依頼・受任する必要があります。

よし、俺にまかせとけ!みたいな、昔ながらのやり方であると、トラブルになりがちな場面です。





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