2015年3月4日水曜日

(特に知的財産)権利として認めるか(広いか) vs 権利として認めないか(狭いか):権利の存続期間にも関連(一般向け、やや専門)





H270304記載
今回は、特に知的財産権に関して、

権利として認めるか(広いか) 
vs 
権利として認めないか(狭いか)

に関して、厳密には法律の論理の話ではないものもありますが、裁判所が考慮するであろう、一つの要素について書きます。

権利の存続期間の話です。

知的財産権が同じ商品について競合するかのような(実際に競合することもある)、ことがあります。


  1. 意匠権(存続期間 設定登録から20年。意匠法21条1項)(要特許庁) 
  2. 商標権(存続期間 更新されれば永遠)(要特許庁)
  3. 著作権(存続期間 原則著作者の死亡後50年。参考リンク:http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime3.html )(特許庁等の関与不要)
  4. 不正競争防止法1条1項1号(商品等表示が認められれば、永遠厳密には商品等表示性を失うまで)(特許庁等の関与不要)
  5. 不正競争防止法1条1項2号(著名表示と認められれば、永遠(厳密には著名表示性を失うまで))(特許庁等の関与不要)
  6. 不正競争防止法1条1項3号(最初に販売された日から3年)(特許庁等の関与不要)
が考えられます。

簡単に内容を説明。
1は、簡単にいえば、デザイン・形を登録するものです。

2は、ネーミング・ブランドとなります。

3は、いわゆる著作物の問題です。

4は、1号は、商品等表示の周知性、5の、同2号は、著名表示のものです。

6は、いわゆるデッドコピー対策のものです。

1、2は、特許庁の審査が必要です。そのため、権利として登録されれば権利性があるとされます。3、4、5、6は、審査はなく、そもそも権利性があるかは最終的には裁判所で決められます。


存続期間の比較。


存続期間の長さだけをいえば、2、4、5>3>1>6
となります。

権利性があるとして、その侵害範囲も広いとなると、2、4、5は、無敵の権利ともなりえます。
また、3も、かなり長くなる。



つまり、
1は、登録から20年です。20年を過ぎれば、基本同じ意匠を使うことは許されるということになります。
2は、商標は使用し続け更新がされる限り論理的には永久となります。ものすごく古い商標が存在するのも珍しいことではありません。


著作権(3)でも、著名な著作権は、かなり強い権利となります。いったん著作物性が認められれば相当長期間権利行使が可能ということになります。
4は、商品等表示として一旦認められれば誤認混同が生じる範囲で商品等表示性が喪失するまで権利行使が可能ということになります。
5は、かなり特殊の例で、著名な商標(1の範囲)と同じく、著名表示は、一旦認められるとかなり強い権利となります。




認めたがらない広く長い権利。
法律的に論理的な関連はないとしても、頭の中では、やはり、存続期間は配慮されます。

つまり、あまりに広い権利を長く認めてしまうのは、しかも、特許庁等の審査もなく認めるのは、まずいんじゃないか、という配慮です。

具体的には、

  • 意匠、商標をとれるものであれば、著作権や不正競争を(登録しようともしていないのに、それだけ独自に)認めるのは躊躇されます。
  • 逆に、意匠登録、商標登録がされていれば、不正競争も認められやすくなります。
  • また、意匠登録、商標登録の存続期間が切れた後に、同じものについて、安易に不正競争とは認められない、
  • 著名性がない一段下(正確性より分かりやすく書いています)の「周知性」を認めるのは、躊躇されます。
  • また、商標は、字とかならいいが形として認めるのは、躊躇される(立体商標の取りにくさに現れます)。

という傾向(あくまで傾向)で現れます。

法律というのは、統一的判断とか整合性が問われることもあります。この事例でこの権利まで認めてしまうと、どこかに波及して、たとえば、商標法や意匠法が死んでしまうのではないか、そんな配慮がないとはいえない場合も多い一例です。

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